[fpr 2899] 心理学科・統計学のテキスト

狩野裕

狩野@阪大です

2年前に人間科学部から基礎工学部へ異動しました.

狩野が人間科学部で教鞭をとっていたときには
ユーザ向けの(心理)統計のカリキュラムは以下のよう
になっていました.

1年生
 記述統計(2単位)
 推測統計(2単位)
2年生
 実験データの分析(2単位,分散分析)
 SAS・SPSSによる分析・実習(2単位)
3年生
 調査データの分析(2単位,多変量解析)
 質的データの分析(2単位,分割表,対数線型,ロジスティック回帰...)
大学院
 SEM(2単位)

関連する科目として,心理学測定,心理学実験がありました.
狩野はテキストを使わないのですが,
 南風原朝和『心理統計学の基礎』有斐閣
を参考図書として指定していました.

以上に加えて,計量心理学者養成用の授業科目がありました.

「質的データの分析」も重要だと思うのですが,(単位の関係で)
受講生が少なく残念な思いをしていました.

fprでも,カリキュラムを議論することも大事だと思いました.

狩野

>fprの皆様
>
>南風原です。
>
>Keizo Hori さんからの引用:
>
>> ご本人の本はどうですか。
>> 
>> 南風原朝和『心理統計学の基礎』有斐閣
>
>私は,[fpr 2890]で挙げたチェック項目に照らして言えば,学部での
>心理統計学教育について,以下のように考えて(進めて)います。
>
>(1)どこまで広く,どこまで深い学習を目指すのか。
>
>  → 卒業研究で実際に使用する可能性の高い「重回帰分析」「分
>    散分析」「因子分析」について,それら相互の関係を含め,
>    その基礎を統合的に理解することを目指す。
>
>(2)何コマ使って授業するのか。
>
>  → 2単位授業×3学期(=6単位)
>
>上記のテキストは,この方針に合うように作成してみたものです。
>
>このうち(1)については,「なかなかそこまでは」という方もおら
>れるかもしれませんが,授業で重回帰分析や因子分析をきちんと教え
>ずにいて,卒論で使うときは正しく使って正しく解釈するようにと学
>生さんに要求するのは,アンフェアな感じがします。また,もしも
>「うちの学生の水準では・・・」というようなことでこれらの内容を
>カットすることがあるとしたら,それは学生さんに対して失礼なこと
>ですよね。
>
>(2)については,「4単位が精一杯」というところも多いかもしれ
>ませんね。学科全体としてのバランスからすると難しいのかもしれま
>せんが,やはり6単位程度は必要とする内容ではないかと考えていま
>す。
>
>ちなみに東大では,心理系の学科が,3学部にわたって全部で4学科
>あります。従来は,それぞれの学部で別々に統計や研究法の授業を開
>講していましたが,来年度以降は,これら基礎的な科目については,
>心理系全体で一本化することが決まっています。また,私が非常勤で
>関わってきたお茶の水女子大でも,従来は,2つの学部で別々に4単
>位ずつの統計の授業が行われていたものが,数年前から,2学部合同
>で6単位の授業となっており,無駄を省くと同時に,学習内容を広げ
>深めることができるようになっています。
>
>----
>南風原 朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
>

---
狩野 裕
大阪大学 大学院基礎工学研究科 数理科学領域
560-8531 豊中市待兼山町1-3
電話/FAX: 06-6850-6485 数理事務: 06-6850-6491
http://www.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/~kano/
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