狩野@阪大です 2年前に人間科学部から基礎工学部へ異動しました. 狩野が人間科学部で教鞭をとっていたときには ユーザ向けの(心理)統計のカリキュラムは以下のよう になっていました. 1年生 記述統計(2単位) 推測統計(2単位) 2年生 実験データの分析(2単位,分散分析) SAS・SPSSによる分析・実習(2単位) 3年生 調査データの分析(2単位,多変量解析) 質的データの分析(2単位,分割表,対数線型,ロジスティック回帰...) 大学院 SEM(2単位) 関連する科目として,心理学測定,心理学実験がありました. 狩野はテキストを使わないのですが, 南風原朝和『心理統計学の基礎』有斐閣 を参考図書として指定していました. 以上に加えて,計量心理学者養成用の授業科目がありました. 「質的データの分析」も重要だと思うのですが,(単位の関係で) 受講生が少なく残念な思いをしていました. fprでも,カリキュラムを議論することも大事だと思いました. 狩野 >fprの皆様 > >南風原です。 > >Keizo Hori さんからの引用: > >> ご本人の本はどうですか。 >> >> 南風原朝和『心理統計学の基礎』有斐閣 > >私は,[fpr 2890]で挙げたチェック項目に照らして言えば,学部での >心理統計学教育について,以下のように考えて(進めて)います。 > >(1)どこまで広く,どこまで深い学習を目指すのか。 > > → 卒業研究で実際に使用する可能性の高い「重回帰分析」「分 > 散分析」「因子分析」について,それら相互の関係を含め, > その基礎を統合的に理解することを目指す。 > >(2)何コマ使って授業するのか。 > > → 2単位授業×3学期(=6単位) > >上記のテキストは,この方針に合うように作成してみたものです。 > >このうち(1)については,「なかなかそこまでは」という方もおら >れるかもしれませんが,授業で重回帰分析や因子分析をきちんと教え >ずにいて,卒論で使うときは正しく使って正しく解釈するようにと学 >生さんに要求するのは,アンフェアな感じがします。また,もしも >「うちの学生の水準では・・・」というようなことでこれらの内容を >カットすることがあるとしたら,それは学生さんに対して失礼なこと >ですよね。 > >(2)については,「4単位が精一杯」というところも多いかもしれ >ませんね。学科全体としてのバランスからすると難しいのかもしれま >せんが,やはり6単位程度は必要とする内容ではないかと考えていま >す。 > >ちなみに東大では,心理系の学科が,3学部にわたって全部で4学科 >あります。従来は,それぞれの学部で別々に統計や研究法の授業を開 >講していましたが,来年度以降は,これら基礎的な科目については, >心理系全体で一本化することが決まっています。また,私が非常勤で >関わってきたお茶の水女子大でも,従来は,2つの学部で別々に4単 >位ずつの統計の授業が行われていたものが,数年前から,2学部合同 >で6単位の授業となっており,無駄を省くと同時に,学習内容を広げ >深めることができるようになっています。 > >---- >南風原 朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp > --- 狩野 裕 大阪大学 大学院基礎工学研究科 数理科学領域 560-8531 豊中市待兼山町1-3 電話/FAX: 06-6850-6485 数理事務: 06-6850-6491 http://www.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/~kano/ ----
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