繁桝@東大駒場です. 大阪大学では,文科系でも数学必修とのことそうあるべきだと私も思います.もち ろん,厳密にδとεから始まる数学ではなく,ドイツ語やフランス語に代わるサイ エンスを学び研究する言葉としての数学を教えるべきですが. そのような目的のために使うために「文科系の学生のための数学入門」(小野寺,狩 野)が面白いと思いました.ずいぶん以前にいただいていたものを最近読みまし た. そこでの面白かった話題です. 映画マトリックスからは,行列のイメージはわきませんね.もともとは基盤とな る材料,子宮などを意味し,映画もその意味のようです.マトリックスとは,何かが 埋まって全体ができているというイメージであるので,畑村さんの「直感でわかる 数学」では,( )のなかに数字が埋め尽くされているから「行列」をマトリック スというという解説があります.ところが,上記の本を読むと,活字の鋳型から来 ているとあっさりと片付けられています.あまり深読みしなければ,この方が納得 できますね. どのようの統計学を教えるかという観点から見ると,この本で出てくるスーマン (進化する人工生物)がどのように統計学を理解するかというプロセスは興味があ ります.すなわち,定義されたコンセプトと演繹的推論だけでどの程度統計学を 理解できるかという点です. 心理学をスーマンが理解しようとすると?これはお手上げのような気がしますが どうでしょうか.
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。