[fpr 2902] 心理学科・統計学のテキスト

繁桝算男

繁桝@東大駒場です.

大阪大学では,文科系でも数学必修とのことそうあるべきだと私も思います.もち
ろん,厳密にδとεから始まる数学ではなく,ドイツ語やフランス語に代わるサイ
エンスを学び研究する言葉としての数学を教えるべきですが.

そのような目的のために使うために「文科系の学生のための数学入門」(小野寺,狩
野)が面白いと思いました.ずいぶん以前にいただいていたものを最近読みまし
た.

そこでの面白かった話題です.
映画マトリックスからは,行列のイメージはわきませんね.もともとは基盤とな
る材料,子宮などを意味し,映画もその意味のようです.マトリックスとは,何かが
埋まって全体ができているというイメージであるので,畑村さんの「直感でわかる
数学」では,( )のなかに数字が埋め尽くされているから「行列」をマトリック
スというという解説があります.ところが,上記の本を読むと,活字の鋳型から来
ているとあっさりと片付けられています.あまり深読みしなければ,この方が納得
できますね.

どのようの統計学を教えるかという観点から見ると,この本で出てくるスーマン
(進化する人工生物)がどのように統計学を理解するかというプロセスは興味があ
ります.すなわち,定義されたコンセプトと演繹的推論だけでどの程度統計学を
理解できるかという点です.

心理学をスーマンが理解しようとすると?これはお手上げのような気がしますが
どうでしょうか.






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