[fpr 3015] 新宿をかける中年

murakami (at) edu.u-toyama.ac.jp

豊田さん

> 
> >いつぞや、テスト学会で誘われた時に、登山研修と重なっていたので
> >そちらに逃げました。(ヤクザ社会には先約優先の原則があります)。
> 
> わたしはそのシンポのパネラーでした.本人がいないところでは,欠席
> 裁判になり,議論は成り立たないので村上さんの御本については,語り
> ませんと企画者のY先生に申し上げて出席しました.当日,私以外の何
> 人かのパネラーの方からは,貴殿の本に関して批判がでていましたよ.
> 私は村上さんがお断りになったことが残念でなりません.こういう問題
> はタイミングが大切で,「貴殿の本のタイトルは,たいへん挑発的で,

「心理テストはウソでした。」は出版社が付けたタイトルで、私は出版された
後に知りました。出版界はこんなものですよ。こんなことを真に受けては困り
ます。

> それが学会の長老の逆鱗にふれ,刺客としてTその他が送り込まれ,学
> 会でガチンコ対決をする」というようなスポーツ新聞的下世話な雰囲気
> が盛り上がれば,地味な心理統計学の分野にも注目が集まるとちょっと
> だけ期待していたからです.

年一回か二回だけ、日心かパー心に参加するのが私の行動パタンで、テスト学
会、計量行動学会、日教心(10年ばかり、富山大会ですら)には参加したことが
ありません。ちなみに、シンポだけではなく、ラジオ、TVもみな断りました。
「東京に何時来られますか」なんて聞かれたので「当分、行かない」と答えた
だけで、まあ、決して断った訳ではありません。雑誌と新聞の取材は担当の編
集者に釘を刺されたので、やむをえず受けた次第です。

「心理尺度の作り方」はテスト学会のシンポに対する私の一つの回答でして、
大した内容でもないんです。言いたいことは、一つくらい外部基準を利用して
項目を選択しましょうということです。因子分析のみだとまったく外部基準を
利用しないので、1個の外部基準の利用より、尺度構成上、妥当性が劣ると思
っています。

なにもシンポでガチンコ対決しなくても、誰かがこの種の別の本を書けば良い
でしょう。私は議論は嫌いなんですよ。それより、何かを作るという方が大事
と思います。たしか、トーマスマンの「トーニオ・クレーゲル」にありました。
批判は無力で、反ナチの行動こそが重要でした。私も批判だけしている訳では
ありません。批判の本と行動の本はペアです。

そういえば、長谷川さんの方から回り回って、PTSDの診断法を執筆しています。
PTSDの診断をめぐって裁判とか紛争が増えているそうです。書く人がいないら
しく、これも誰かがやらないといけない、ポジティブな行動です。たった40枚
なんですけど。30枚はやっと書きました。

と言うわけで、頭は良くないんですが、体力でカバーしつつ、ポジティブな活
動もやっています。体力だけなら、心理学会屈指の実力者なんですが。もう年
なので、そろそろ引退予定ですが、若い人は、もっと私を批判して、ポジティ
ブな活動を積みあげて欲しいですね。長老は終わった人だからどうでも良いで
す。




                      --------------------------------------

                                                           村上宣寛

                                           〒930-8555 富山市五福3190
                                               富山大学人間発達科学部
                                            TEL/FAX 076-445-6367
                            
                            (2006年度より)
                                 E-mail: murakami (at) edu.u-toyama.ac.jp
                               HP:http://psycho01.edu.u-toyama.ac.jp/
                              --------------------------------------


スレッド表示 著者別表示 日付順表示 トップページ

ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。