[fpr 3286] 「統計計算の50年」展

SHIBAYAMA Tadashi

みなさま

 東北大学の柴山です。先日、出張の折に、東京理科大学近代科学資料館
にて、「統計計算の50年−統計計算・教育統計の歴史をふりかえる−」展
が開催されているの知り、帰りの列車を遅らせて立ち寄ってきました。

 展示では、いまもテスト理論を中心に研究の第一線に立っておられる
池田央先生が、長年にわたって関わってこられた研究資料や
統計機器の数々を中心にみることができます。

 話しに聞いたことしかなかった、紙テーププログラムなど、いろいろな
統計ツールを実際に見て、たいへん感慨深いものがありました。たとえば、
ガリ版印刷と思われる手書きの「勉強生活調査」約1万名分の
実際の調査用紙と、それを、数表と集計紙、算盤、計算尺で分析された
実物にはしばらく見入ってしまいました。よほど注意深い調査設計と実施方法、
現象へのするどい洞察力、根気、正確さをもたないとこれだけの分析は
不可能だろうなとつくづく「感じ」てしまいました。調査ばやりの今、いろんな
意味でなにもかもがお手軽になった分、ここまで神経の行き届いた準備・
実施・分析・報告をできているのだろうかとも考えさせられもしました。

 このようにタイガー計算機からはじまって、私も大学生時代にお世話に
なったNECPC8001まで、統計ツールの数々をみるおもしろさもさることながら、 

自分がいま深く関わっている心理計量・教育測定・統計教育の学問的技術的
背景を改めて考えさせてくれる展示の数々でもあり、出発前のあわただしい
時間でしたが、立ち寄ってたいへん良かったです。

 資料館には他にも世界的に貴重なコレクションも数多くあります。世界で
はじめて乾電池を作った人が日本人の屋井千蔵(新潟・長岡出身!)というのも
はじめてこの資料館で知りました。館員の方からはタイガー計算機の
使い方をマンツーマンで教えていただきました。また館長の関根先生(?お名前
が違っていたらご容赦ください)の「(いまの風潮は)大学とは面白いところだと 

小・中・高生たちに誤解させている。新しいことを生み出すのはホントにたいへん 

なことなのに」という言葉には妙に共感させられもしました。

 心理・教育統計をはじめ計量心理、教育測定論、数学教育、統計教育、
教授学習を専門とされている方には、特におすすめの企画展示と思い
投稿させていただきます。なお、東京理科大学近代資料館は

http://www.tus.ac.jp/museum

です。

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 柴山 直 (SHIBAYAM Tadashi)
 東北大学大学院 教育学研究科 
 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1
 TEL: 022-795-3738
 E-mail: sibayama (at) sed.tohoku.ac.jp
教育設計評価専攻:http://www.sed.tohoku.ac.jp/lab/deseva/index.html
大学院教育改革GP:http://www.sed.tohoku.ac.jp/gp/index.html
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