豊田さん,岡本さん,fprの皆様 ■ 豊田さんから: > 大切なのは、当該実質科学分野における実質差なので > その研究者が必要と考える実質差において、適度な検定力 > があれば、どの方法でもよいと、 > (実質差を、研究者が自覚することがまず大切であり、 > 検定力が高い方法を探すことに力を注ぐのではなく) > かりに検定力が低い傾向のある手法でも有意差になるような、 > 実質差のある(効果量の大きな)実験を計画することが、 > もっとも重要だと2年生向けの授業では力説してます。 検定力の高いデザインや分析法は,より精度の高い(信頼区間の狭 い)推定につながりますので,効果量の実質的な大きさに注目する ときには,いっそう大事になってくると思います。 ■ 岡本さんから: > もっとも、ゼミでベイズ的分析法というのを説明することがあったのですが、 > このときはt検定よりわかりやすいという学生さんの反応でした。心理学会の > 統計分析のデファクトスタンダードが、ネイマン=ピアソン理論からベイズ的分析に > 変われば、授業はやりやすくなるのかなと、ふと思いました。学生としては > 5%という天の声より、事後分布の比較の方がグラフィカルで直感的に > 了解しやすいということだったようです。 p値を,「差があるとした判断が誤りである確率」のように事後確 率的に解釈する誤りが根強いことからも,私たちの思考は帰無仮説 の検定よりもベイズ的な事後確率のほうと,より親近性が高いとい うことは言えると思います。 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
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