[fpr 3387] 天井効果と床効果

南風原朝和

fprの皆様

南風原@東大教育心理です。

下の架空のデータは,x1〜x4 という4つの変数がいずれも
1〜5 という範囲の値をとる評定尺度値で,N=10 です。

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x1  x2  x3  x4	
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 1   2   3   4	
 1   2   3   4	
 1   2   3   4	
 1   2   3   4	
 1   2   3   4	

 5   5   5   5	
 5   5   5   5	
 5   5   5   5	
 5   5   5   5	
 5   5   5   5	
---------------	

x1 は尺度の両極端に分かれた分布,x4 は尺度の右端のほうに集中
した分布,そして,x2,x3 はその間ぐらいの分布になっています。

これら4つの変数のうち,天井効果を示すものはあるでしょうか。
あるとしたらどれでしょうか。また,床効果を示すものはあるでし
ょうか。

・・という問題を考えてみました。

ある学生が,こういうときは,平均±SD を計算して,それが 1〜5
の範囲を超えるかどうかをみればよい,というので,エクセルで計
算してみました。

すると,平均+SD(ただし,SDは不偏分散の平方根)の値は,順に
5.108 5.081 5.054 5.027
となって,尺度の両極端に分かれた x1 を含め,全部が天井効果を
示すものとなりました。

また,ためしに,平均−SD を同様に求めてみると,x1 については
0.892 となり,x1 は天井効果と同時に床効果も示す,という結果に
なりました。

学生は,なんか変,と言いながら帰っていきました。

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南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp


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