fprの皆様 南風原@東大教育心理です。 下の架空のデータは,x1〜x4 という4つの変数がいずれも 1〜5 という範囲の値をとる評定尺度値で,N=10 です。 --------------- x1 x2 x3 x4 --------------- 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 --------------- x1 は尺度の両極端に分かれた分布,x4 は尺度の右端のほうに集中 した分布,そして,x2,x3 はその間ぐらいの分布になっています。 これら4つの変数のうち,天井効果を示すものはあるでしょうか。 あるとしたらどれでしょうか。また,床効果を示すものはあるでし ょうか。 ・・という問題を考えてみました。 ある学生が,こういうときは,平均±SD を計算して,それが 1〜5 の範囲を超えるかどうかをみればよい,というので,エクセルで計 算してみました。 すると,平均+SD(ただし,SDは不偏分散の平方根)の値は,順に 5.108 5.081 5.054 5.027 となって,尺度の両極端に分かれた x1 を含め,全部が天井効果を 示すものとなりました。 また,ためしに,平均−SD を同様に求めてみると,x1 については 0.892 となり,x1 は天井効果と同時に床効果も示す,という結果に なりました。 学生は,なんか変,と言いながら帰っていきました。 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。