fprの皆様 片所さんのコメント,ありがとうございます。 もう少し続きを書いてみたいと思います。 簡単のために天井効果に絞ることにします。 学生から聞いた方法,すなわち,(1〜5 の5段階評定尺度であれば) 平均+SD > 5 ならば天井効果ありとして,(これまた学生によれば)その項目は削除する という方法は,上式より,「平均または標準偏差が大きい項目は削る」 ということになります。 実は,前回お示ししたデータは,x1〜x4 のいずれも,平均+SD が等しく なるようにしたものです(ここでの SD は,分散の分母をnとしたもの)。 平均等の値を加え,再掲します。 --------------------------- x1 x2 x3 x4 -------------------------- 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 --------------------------- 平均 3 3.5 4 4.5 SD 2 1.5 1 0.5 平均+SD 5 5 5 5 --------------------------- このように,平均+SD によって天井効果を判定する方法は,平均が尺度 の右端に偏った場合だけでなく,尺度のちょうど真ん中にあるときも, 標準偏差が大きければ天井効果と判定する,ということになります。 また,「平均または標準偏差が大きい項目は削る」ということは,平均が 等しい項目については,標準偏差の大きい項目,すなわち個人差が明確に 表れている項目から順に削っていき,標準偏差の小さい項目,すなわち 差がつかない項目は残す,ということになります。 今度その学生が来たら,この最後の段落,どう思う? と聞いてみます。 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
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