[fpr 3428] 分布の歪みによる偏差値の変化

守一雄

豊田さん

ご返答ありがとうございます。

> 負に歪んでいるとのことですが、負に歪んでいることが、当該学問
> 分野の知見の観点から意味をもっているのか、あるいは単
> なる外れ値として少数のデータを取り除くべきなのかは、
> 個票にもどって確認する必要があるかもしれません。

定期テストでの5教科総合点を偏差値にしたものですので、
特定の学問分野の性質は関係しません。

少数の外れ値の影響でこうしたことが起こることは知っていましたが、
今回のデータは1780人分です。
これくらいの人数ならほとんど無条件に正規分布を仮定してもいいと思っていました。
ところが、そうでなかったので少し驚いたということです。

> 守さんの例は、
> 最初は(負の歪みが大きい時は)分位のイメージより高めに算出され
> (極端な少数の負け組がみんなから負けを一手に背負っていた状態から)
> あとから(歪みが小さくなって)分位のイメージに近づいたと
> いうことですね。

まさに、その通りです。

ただ、上にも書いたように、
学年単位の偏差値くらいになるとこうした効果は小さいと思っていたのが、
想像以上に大きいことがわかったということです。
「偏差値の1.5程度の変化は誤差の範囲」と考えれば済むことですが、
現場の教諭たちや生徒たちはこうした変化に一喜一憂しますので、
中位の生徒の偏差値に全体として下がる傾向があるのだとすれば、
それを知らないでその変化を意味のあるものと解釈してしまうと、
多くの生徒が「がんばっているのに成績が下がった」と感じてしまう危険性があります。
比喩的に言えば、「無風だと思っていたら向かい風1mだった」という感じですね。

論文に公刊するほどのものではないでしょうかね?

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