[fpr 3452] 先頭集団効果

岡本安晴


南風原さん

 非常に興味深い問題提起で、他のテーマがなければ私が
頂いたテーマで可能性を探りたいと思いますが、「いまちょっと」という
ところです。

> がない場合,そして,得点尺度が(正規化のような)非線形変換を許容す
> る順序尺度の水準のものと考える場合,

 ポイントは、完全な非線形変換が許容されている(すくなくとも正規化が可能なレ
ベルの変換)
と考えるかどうかだと思います。パラメトリックな非線形変換だと必ずしもふた山が
ひと山に
まとまるとは限らないのでは、またこの場合はベイズ的分析の対象になるのではと
予想します。
 学力が完全な順序尺度の水準のものと考えるか、順序尺度と間隔尺度の間の
水準のものと考えるか、実証的データに基づく検討が必要だと思います。

岡本

> -----Original Message-----
> From: 南風原朝和 [mailto:haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp]
> Sent: Monday, February 21, 2011 1:26 PM
> To: fpr ML
> Subject: [fpr 3451] Re: 先頭集団効果
>
> 岡本さん,皆様
>
> ご教示ありがとうございます。
>
> ご指摘のように,理論モデルとしてふた山分布を設定しても,尺度化等の
> 計算は可能かと思いますが,多くの学力テストのように明確な理論モデル
> がない場合,そして,得点尺度が(正規化のような)非線形変換を許容す
> る順序尺度の水準のものと考える場合,
>
> > 「分布がふた山になって,学力が二極化している」というような議論
>
> はできないことになりますね,というのが先の[fpr 3449] の趣旨でした。
> たとえば正規化した偏差値(T得点)にすれば,ふた山もひと山になって
> しまいますから。
>
>
> Yasuharu Okamoto さんからの引用:
>
> > 南風原さんからの引用:
> >
> > > 耳にする「分布がふた山になって,学力が二極化している」とい
> > > うような議論も,得点の尺度にどのような前提をおくかが関係し
> > > てきますね。
> >
> >  ベイズ的方法の場合、MCMCというシミュレーション方が実用化されて
> > います(普通のPCで実行可)ので、プログラミング可能な分布であれば
> > 原則として対応可能(計算時間が現実的という制限内で)であると
> > 思います。
> >
> > 日本女子大学心理学科
> > 岡本安晴
> >
> > > -----Original Message-----
> > > From: 南風原朝和 [mailto:haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp]
> > > Sent: Monday, February 21, 2011 12:10 PM
> > > To: fpr ML
> > > Subject: [fpr 3449] Re: 先頭集団効果
> > >
> > > 守さん,皆様
> > >
> > > Kaz Mori さんからの引用:
> > >
> > > > On 2011/02/19, at 12:35, 豊田秀樹 wrote:
> > > > > 一次変換による偏差値が、分位から知られる個人の位置のイメージか
> ら
> > > > > ずれることがあるのは、比較的よく知られています。
> > > >
> > > > これには何か名前がついているでしょうか?
> > >
> > > 分布の歪みの方向によって,中央値が平均より大きくなったり,
> > > 小さくなったりする(したがって,順位中央の人の偏差値が50
> > > より大きくなったり小さくなったりする)ことについては,
> > > たとえば
> > >
> > > ・池田央「統計的方法I 基礎」(新曜社)の61頁
> > > ・吉田寿夫「本当にわかりやすい・・・」(北大路)の53頁
> > > ・森・吉田「心理学のためのデータ解析テクニカルブック」(北大路)の18
> 頁
> > > ・Hays, W.L.  Statistics (5th ed.) の181頁
> > >
> > > などに図解があり,広く知られていることかと思います。
> > >
> > > Haysは,「分布が対称なら平均=中央値だけど,逆は必ずしも
> > > 正しくない」という注意もしています。
> > >
> > > あと,得点の尺度や正規化の話題も出ていますが,ときどき
> > > 耳にする「分布がふた山になって,学力が二極化している」とい
> > > うような議論も,得点の尺度にどのような前提をおくかが関係し
> > > てきますね。
> > >
> > > ----
> > > 南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
> >
> >
> >
>
> ----
> 南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp



スレッド表示 著者別表示 日付順表示 トップページ

ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。