日本心理学会第62回大会(東京学芸大学, 1998年10月) ラウンドテーブルディスカッション

心理学研究の自己点検(5): 数量的データおよび尺度を考える

要旨

このシリーズでは昨年まで,統計的検定の誤用や,多変量解析の適用上の問題
など,数量化された心理データの解析に関する問題をテーマとして取り上げて
きた。今年度は,さらに基礎的な問題として,数量的データ自体の性質を取り
上げる。その核心となる尺度の水準は,心理統計学の入門書の冒頭で取り上げ
られるような基本的な事項であるが,そうした解説書では必ずしも理論的に満
足のいく説明は与えられておらず,また現実の心理学研究における数量的デー
タの取り扱いを見ても,疑問を感じさせるものが少なくない。こうした現状を
踏まえ,「測定の基礎理論」の観点から尺度の水準を改めて考え直し,心理学
研究における数量化および尺度に関する諸問題について理解を深め合いたいと
考えている。

    企画者            長谷川芳典 (岡山大学)
                      南風原朝和 (東京大学)
    司会者            南風原朝和 (東京大学)
    話題提供者        岡本安晴   (金沢大学)
    指定討論者        村上隆     (名古屋大学)
                      吉野諒三   (統計数理研究所)