長谷川@岡山大学文学部心理学教室です。 ワークショップの企画書の内容については特に反対意見もありませんで したので、時間切れで、あのままの文案で郵送しました。 WSで取り上げるのは来年以降になろうかと思いますが、多変量解析と くに因子分析に基づく研究法についても大いに討論が必要であろうと思 います。 私のところでは、毎年、SPSSxのにわか勉強による未消化の卒論が 続出しています(もちろん教官側の指導不足も反省しています)。 ところで、今年度の長谷川の個人発表のほうは「心理学入門段階におけ る“実験計画立案行動”の特徴と改善」というテーマで申し込みをいた しましたので、その内容を紹介申し上げます。 御教示を賜れば幸いです。 これは、心理学専攻の2回生を対象に、以下のような教示による“実験 シミュレーション”をさせたものです。 ある製薬会社が記憶の保持をよくする薬を開発した。この薬を被験者 に与えることについては、最大150mgまでの範囲であれば、医学的、倫理 的に何ら問題がないことが確認されている。 そこで、この薬の効果を確かめるため、100人の【仮想】被験者にある 記憶作業をさせ、その直後にこの薬を何gか服用させ、翌日に記憶テスト を行なうこととしたい。 この薬はカプセルに入れられているので、【仮想】被験者は薬の服用量 を知ることができない。 仮想被験者の個々のデータは、パソコン操作により数値として表示され るます。 必要に応じて“予備実験”を行なってもよいが、仮想被験者は“本実験” と合計して100名でなければなりません。 薬は4種類あるものとし、それぞれ別々の100名の被験者を使って別々の (同一でもよい)実験計画を立案します。 実際には4種類とも、異なる関数(+ランダム変動)に基づき、服用量の ちがいが記憶テスト成績に影響を与えるような設定になっていますが、こ のことは知らされません。 設定した関数および実際の結果についてはいずれ報告しますが、 そもそも被験者数が100人という制限のもとで、どういう実験計画を立てた ら最適であるのかは、私にもわかりません(無責任ですみません)。 一般的には、予備実験をするかしないか、いくつかの条件を設定して群分 けをするかしないか、というようなことが問題になると思います。 fprの参加者の皆さんはどうお考えになりますか。 ご意見を賜れば幸いです。 また、同じような実習をされた方、関連文献を御存じの方がおられましたら 御教示ください。 長谷川芳典 岡山大学文学部心理学教室
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