豊田@立教社会です
Yumeko HAYASHI <yumeko (at) rtri.or.jp> さんは書きました:
>2、最近、質問紙法の調査実験などで、共分散構造分析をしたものを
>良く見かけますが、手続きとして、
>[いくつかの、解釈可能な、因果モデルの中から、
> 適合度指標GFIがもっとも良いモデルを選ぶ]
>というものが多いのです。
> 例えば、探索的因子分析の因子数の設定であったら、
>数字的な基準は様々あるものの、結局は、いろいろやってみて、うまく変数から
>潜在変数(因子)が説明できるモデルパターンを選ぶように、最近なってきました。
>[いくつかの適合度のよいモデルから、解釈可能なモデルを選ぶ]
>べきだと、私は思うのですが、どうも数字に頼るきらいがあります。
1.実際にデータから因果モデルを作ろうとすると,形式的には膨大な数のモ
デルが候補に挙がってしまいます.そこで形式的に構成可能なほとん
どのモデルは計算せずに,構成者が専門とする実質科学的知見を利用して,
まず解釈可能な因果モデルの族を候補に選び,それから統計的な指標を参照します.
共分散構造モデルはとても一般的なモデルなので,どちらが良いという問題で
はなくて,この順番しか実行できないという事情によっています.
2.特定のモデルの族(例えば因子数の異なる探索的因子分析モデル)に候補を
絞った後に,解釈可能性と統計的指標をどちらを優先させるかという問題ですが,
こちらは実質科学的に有用で(解釈可能で)かつ,多くの指標に関して
適合の良いものでなければプレゼンテーションできないので,両方とも
重要です.ただし,共分散構造モデルの適合度に関する指標はとてもたくさんあ
り,指標間で最適なモデルは一致しませんから,統計的な指標だけにたよってモデル
選択することはできません.
話しは変わるのですが,来年は私が所属している立教大学で心理学会が開かれます.
私は準備委員をしています.
去年,今年とワークショップなので,来年あたりはこのメーリングリストで
シンポでも企画したらどうでしょう.「今年の学会も終っていないうちに..」
という声が聞こえてきそうですが,実は来年のシンポの候補はかなり決まっていて,
沖縄での学会が終ってから,しばらくすると準備委員会のほうから,依頼状が
送られることになります.そこで沖縄での学会のワークショップの結果を見て,
その流れを踏まえて,次なる方向を考えてはどうでしょう.
具体案が決まれば,こちらからその通りに依頼いたします.
小所帯の準備委員会なので,私は当日は裏方の仕事に専念しようと思っています.
もちろん進行その他,事務的なことであれば,喜んでお手伝いいたします.
また,あくまでもワークショップで!というのであれば年明けでかまいません.
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Hideki TOYODA, Rikkyo (St. Paul's) University
TEL (03) 3985-2321 FAX (03) 3985-2833
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ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。