石田@東北大です.早速の返答ありがとうございます. 要はSkinnerは,誤差をランダムサンプリングと一定数以上のデータ収集によ って「散らす」,という方法よりも,誤差を確実にコントロールできる少数から 得たデータを用いるべきだ,と考えていたわけですね. これはSkinnerが見たがったデータがそれを許すほどvalidであったということ なのでしょう.それほどvalidではないデータを扱わなければならない分野が増 えてきたので,結局こういった推測統計が主流になってしまったんですね.例え ばどうしても影響する要因全てをコントロールし得ないような社会心理学とか, もっと個人差が影響するような部分まで踏み込んでいく認知心理学とか. しかしこのSkinnerの物言いは,物理学でのアインシュタインを思い起こさせ ますね.彼は確率的な発想を全面に押し出した量子力学に対して,「神はサイコ ロ遊びはしない」と批判したという. Skinnerも統計的確率的にしか語り得ないような事象は語るに値しない,と思 っていたわけですからね. ---- 東北大学大学院情報科学研究科 :すいません 人間社会情報科学専攻 :所属名が長すぎて 人間情報学大講座 :signatureが4行以内に 認知心理情報学講座 :収まらないんですけど 石田 翼(tbs-i (at) cpsy.is.tohoku.ac.jp, GHE04441 (at) niftyserve.or.jp)
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