[fpr 106] 3mode*3way data

豊田秀樹

豊田@立教社会です

Takashi TANIGUCHI <takashi (at) mbox.kyoto-inet.or.jp> さんは書きました:
>私が現在悩んでいるのは、いわゆるSD法で得られるような3相3元データを
>どう処理していくかということです(刺激×尺度×個体のデータ)。
>これに関しては、ナカニシヤ出版からまもなく出版されるはずの「音楽の
>心理学」(梅本堯夫)の中で、和歌山大の菅先生も触れており、私が目に
>した本の中では一番わかりやすく書かれています。

  貴重な情報をありがとうございます(是非読んでみようとおもいますが
いつ出版されるのでしょうか?)多相多元データは心理教育の研究分野には
たくさん登場する割には教科書が少ないですよね.というより多相多元データ
の分析それ自身は分散分析を利用して平均値の比較をしたり,分散成分の推
定をしたりというように頻繁になされていますが,(くり返しのある3元配
置のデータは,4相4元データですよね...それとも1相4元データとい
うのですか?少なくともくり返しのある3元配置のデータはX相3元データ
ではないですよね?どなたか詳しい方,教えていただけないでしょうか?)
共分散や相関の考察は,ほとんどなされないというのが現状でしょうね.残
念なことだとおもいます.

>3相3元データを処理するには、主に (1)複数の2相2元データ(刺激ごとの
>尺度×個体など)に分割するか、 (2)個体の平均をとって刺激×尺度に変
>換、もしくは、 (3)尺度×(刺激・個体)として2相2元に還元するかのい
>ずれかが一般的かと思われます。
>もちろん研究の目的によって、どれが絶
>対的に正しい、あるいは間違いとは言えませんが、その使い分けについて
>みなさんのご意見、信念がうかがえたらと思います。
>また、3相3元データをそのまま扱うにはどうしたらよいのか?
>菅先生によれば、ないことはないようなのですが、少なくとも私の知る限
>りでは、一般に使われている統計パッケージではできないように思われま
>す。これについても、「こういう工夫をすれば可能では?」とか、「この
>ソフトでは可能だ」という後示唆がいただければ幸いです。

  3相3元データをそのまま扱うのには,共分散構造分析のソフトを利用す
るのが,手軽で強力です.
A)タッカーモデルやパラフアック等のモデルをほとんどそのまま表現できる.
B)上記(1)に関しては,多母集団比較を行って細かいモデル構成ができる
C)上記(3)に関しては多方法多特性法やパネルデータの分析のような
    データの性質に即したモデル構成ができる.
D)SASかSPSSがあれば実行できる
というのが,その理由です.

>私の場合、SD法ではなく単極評定データですが、音楽に感情的側面の認知
>に関する「尺度の作成」を行う際に、

作成なさろうとしているのは
曲を記述するための尺度ですか?人を記述するための尺度ですか?研究の目
的とからめてもうすこし詳しくお教え願いますか?

>上記 (1)と (3)を併用しました。つ
>まり、刺激(曲)ごとに尺度×個体の因子分析を行い、

「尺度の作成」が目的ですから,これは形容詞などですか?
また「尺度?」が変数で「個体」がくり返しですか?

>それを土台にして
>刺激と個体の次元をのべにして全体の因子分析を行ったわけです。

前の分析結果を具体的にどのように利用したのですか?
刺激と個体は「変数」ですか「くり返し」ですか?

>これはこれでいろいろなご意見があるかと思いますが、問題は、そのあと
>です。作成した尺度で、様々な曲について(現在90曲)評定をとっている
>のですが、各尺度の得点の代表値を出すのはいい。

「代表値を出すのはいい」とはどういうことですか?
もう少し詳しく処理の過程を説明願えますか?

>しかし、すべての曲で
>評定者が完全に一致しているわけではないので、それ以上の分析の進め方
>でつまづいているのです。

ということは欠測値のある3相3元データということですか?
1人のひとが90曲全部は評定していない場合に
A)釣り合い型不完備ブロックか
B)人は曲にネストしているのか
C)無作為に欠測させているのか
D)披験者の都合にあわせてなんとなく
というような状況がおもいうかびますが,どれ(あるいはその他)ですか?

多相多元データの共分散や相関の分析は,様々な条件を考慮して心理学的な
考察を進めていくために,必要不可欠なものだと私は思っておりますので
谷口先生の記事に対するリプライを興味深く待っていました.しかし今現在
リプライがないので状況をもうすこしはっきりさせて,コメントしやすいよ
うに,少し細かく状況の確認をさせていただきました.

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Hideki TOYODA Ph.D., Associate Professor,      Department of Sociology
TEL +81-3-3985-2321 FAX +81-3-3985-2833, Rikkyo (St.Paul's) University
toyoda (at) rikkyo.ac.jp  3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan                                  
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