宇都宮大学の服部 環です。アップが遅くなり、失礼しました。 昨年のワークショップで配布した資料について南風原さんのご指摘があ りました。余計な資料だったのですが、言いたかったのは(どうでもいい でしょ、という人もいるのですが)、以下のようなことでした。 ・主成分分析は主成分分析のままで、これを無理して因子分析の主成分解 と言わなくてもよいのではないか。 ・最近の日心、教心の論文を見ると主因子法がほとんどですが、最小自乗 法は最小化基準式が因子分析の理念を反映しているのでわかりやすい。し かも、(高価な)統計パッケージの最小自乗法はそれほど多くの反復計算 をしなくても、推定値が得られる。もちろん、ダメなときもありますが。 ・主因子法でも、共通性を<あきれるほど十分に>反復推定すれば最小自 乗推定値と一致するはずですが、私の持っているソフトウェアのデフォル トでは、ほとんどそれが期待できない。解が収束する前に計算を止めてし まうことが多い。つまり、最小自乗法の推定値と一致しないし、主因子法 の解にもなっていない。 ・共通性の初期推定値は適当に与えていることが多いと思うのですが、初 期推定値の選択を誤ると正しく推定値を得られないことがある。 ・回転後の因子の寄与(因子パターン行列の縦の自乗和)を固有値と書い ている論文がありますが、あれは<固有値>とは違うのではないか。原因 は統計パッケージか。 ・斜交解の因子構造行列として掲載している数値を見ると、どうも因子パ ターン行列のようである。(単なる勘違いかな。) このほかにもいくつか資料があったと思いますが、どれも技術的な話ば かりです。 宇都宮大学教育学部 服部 環 1/20
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