宇都宮大学の服部です. (堀さん) >"服部 環 " <GAC01056 (at) niftyserve.or.jp> さんは書きました: >>・主成分分析は主成分分析のままで、これを無理して因子分析の主成分解 >>と言わなくてもよいのではないか。 > >主成分分析を回転したのはなんというのでしょうか?回転するのはあきらかに >主成分分析の精神に反してますね。 そうですね.分散が最大化されている合成変数が主成分だとすれば,回転後の合成 得点は主成分とはいわないと思います.もし回転すれば,測定変数から解釈のしやす い合成得点をつくってみた,ということになるのでしょうか. (堀さん) >Kline,P.(1995) An easy guide to factor analysis. Routledge. >Harman の方法をするときの問題点が指摘されています。 >(2)共通性が1を超えるときがあり、ときにmisleadingな解がでてくるときがあ >る。(Harman(1976)Modern factor analysis.3rd ed. U.of Chicago によると、 >共通性が1を超えるときは特別の処置をしている) > >(1)はSPSSでする場合とくに問題とは思えませんが、(2)の場合は克服され >ているのでしょうか。また、Harman(1976)の言っている処置で問題は生じない >のでしょうか。 > すみません,”Harmanの特別の処置”というのがわかりません. 普通はデータや因子数が不適当なときに共通性の推定値が1を越えるのでしょうか ら,分析者に注意を促すという観点からも,”共通性を反復推定しない主因子法”以 外の方法がすすめられると思うのですが,いかがでしょう. 話はちょっと違いますが,最尤推定法の反復計算の途中で共通性の推定値が1を越 えたとき,さらに計算を繰り返すと共通性が妥当な値に収束することもある,そうで す. (堀さん) >>ている論文がありますが、あれは<固有値>とは違うのではないか。原因 >>は統計パッケージか。 > >SPSSではないですね。回転後の出力はないですから。 回転後の因子パターン行列の下に<固有値>と書いている方に利用したパッケージ を聞きますと(個人的に聞きやすい方;また,論文にそう書かれていた例を読みます と),いずれもSPSSでした.ですから,ずっと,SPSSに回転後の出力がない のが原因かと思っていました(先に原因は統計パッケージか,という書き方をしまし たが,不適切でした.). SPSSは因子パターン行列から予測された相関係数行列(対角線は共通性)の固 有値を出力していると思いますが,回転後も”自乗和=固有値”であると勘違いして 因子パターン行列の下に載せているのではないか,と勝手に想像した次第です.
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