服部 さんコメントありがとうございます。 >宇都宮大学の服部です. > そうですね.分散が最大化されている合成変数が主成分だとすれば,回転後の 合成 >得点は主成分とはいわないと思います.もし回転すれば,測定変数から解釈のし やす >い合成得点をつくってみた,ということになるのでしょうか. ふっふ。因子分析とはいえないということですね。主成分分析の回転解とか、おさ まりの悪いかたちで言うことになるのでしょうか。 > すみません,”Harmanの特別の処置”というのがわかりません. 因子分析の結果、ある変数の共通性が1を超える場合を Heywood case とよんでい るそうですが、Harman and Fukuda(1966) Resolution of the Heywood case in the minres solution. Psychometrika. 31:563-71.でその処置を示したそうです。 Harman(1976)にも説明が書いてあるのですが、私が理解するまで読み込んで説明す るよりも直接原典にあたっていただくほうがいいでしょう。 Haywood case に次の相関行列があがっていました。ついでにSPSS処理のプログ ラムで示します。 matrix data var=x1 to x5. begin data 1 .945 1 .840 .720 1 .735 .630 .560 1 .630 .540 .480 .420 1 end data. FACTOR matrix=in(cor=*)/ANALYSIS x1 x2 x3 x4 x5 /PRINT INITIAL EXTRACTION /CRITERIA MINEIGEN(1) ITERATE(100) /EXTRACTION uls /ROTATION NOROTATE . ULS等で共通性が1を超えます。ただし、最終解は調整されたのがでます。ま、 SPSSのプログラムに問題があるのかもしれませんが。 >Warning # 11382 >反復の最中に、1.0を超える一つまたは複数の共線性推定値が見つかりまし >た。この結果得られた不適切な解は、注意深く解釈すべきです。 ULS extracted 1 factors. 5 iterations required. Factor Matrix: Factor 1 X1 1.02274 X2 .90676 X3 .80502 X4 .70384 X5 .60297 Final Statistics: Variable Communality * Factor Eigenvalue Pct of Var Cum Pct * X1 .99900 * 1 3.37527 67.5 67.5 X2 .82208 * X3 .64795 * X4 .49531 * X5 .36351 * ******* 不可解な結果だなあ。「共線性推定値」は共通性推定値でしょうね。因子得点が1 を超えて、共通性が1より小さい!? またSPSSの問題点が見つかったようですね。 > 普通はデータや因子数が不適当なときに共通性の推定値が1を越えるのでしょ うか >ら,分析者に注意を促すという観点からも そういえるのなら、因子数の問題にも示唆が与えられていいですね。Harman(1976) ではminres法のところで因子数の有意度の検定の話を入れています。 >ら,分析者に注意を促すという観点からも,”共通性を反復推定しない主因子法 ”以 >外の方法がすすめられると思うのですが,いかがでしょう. > 話はちょっと違いますが,最尤推定法の反復計算の途中で共通性の推定値が1 を越 >えたとき,さらに計算を繰り返すと共通性が妥当な値に収束することもある,そ SPSSのmlの結果です。 >Warning # 11382 >反復の最中に、1.0を超える一つまたは複数の共線性推定値が見つかりまし >た。この結果得られた不適切な解は、注意深く解釈すべきです。 ML extracted 1 factors. 6 iterations required. >Note # 11379 >ケース数(N)を表すベクトルも行列も指定されていません。カイ二乗統計量を >計算することができません。 Factor Matrix: Factor 1 X1 .99950 X2 .94510 X3 .83962 X4 .73459 X5 .62962 ***** これは、1以下のおさまっていますね。 > > > 回転後の因子パターン行列の下に<固有値>と書いている方に利用したパッケ ージ >を聞きますと(個人的に聞きやすい方;また,論文にそう書かれていた例を読み ます >と),いずれもSPSSでした.ですから,ずっと,SPSSに回転後の出力が ない >のが原因かと思っていました(先に原因は統計パッケージか,という書き方をし まし >たが,不適切でした.). SPSSユーザの問題はかなりあるでしょうね。いつも感じています。 > SPSSは因子パターン行列から予測された相関係数行列(対角線は共通性) の固 >有値を出力していると思いますが さきほどのULSの共通性が1を超えないのはこのせいかな。 >,回転後も”自乗和=固有値”であると勘違い して >因子パターン行列の下に載せているのではないか,と勝手に想像した次第です. SPSSでよく起こっているのは、「final statistics」のSS loading を回転後の自乗和と勘違いすることです。SPSSの「最終統計」は回転前の自乗 和です。 そういえば、それを固有値と間違えている場合もあるでしょうね。 香川大学経済学部 堀 啓造 hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。