堀 啓造@香川大学経済学部です。 いま南風原さんのかかれた「知能検査の因子構造をさぐる」渡辺洋編著『心理・教 育のための多変量解析入門−事例編』福村出版の追分析(ていうのか)をやってい ます。ところがどうもうまくいかないのです。引用のもとにあたることができれば いいのですが、それもままなりません。表4−1(p73)のデータはこれでいいのでし ょうか。何度かチェックしましたが私のデータと表4−1との違いは見つかりませ ん。(平均、標準偏差、nは計算結果に影響ないのでチェックしていません。) またまたSPSSのプログラムです。 ****************************************. matrix data variable=rowtype_ tisiki ruiji sansu tango rikai susho kansei hairetu tumiki kumi fugo meiro. begin data. mean 10.1 10.1 10.0 10.1 10.2 9.8 9.9 10.1 10.0 9.9 10.1 9.7 stddev 2.9 2.9 2.8 3.0 2.9 2.9 3.1 3.0 3.0 3.1 3.2 2.8 n 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 corr 1 corr .39 1 corr .23 .33 1 corr .43 .44 .14 1 corr .43 .43 .17 .56 1 corr .25 .24 .45 .24 .22 1 corr .15 .28 .35 .17 .17 .13 1 corr .12 .24 .01 .22 .13 .08 .32 1 corr .14 .25 .32 .14 .10 .30 .33 .28 1 corr .20 .34 .16 .27 .28 .18 .16 .07 .40 1 corr .07 .21 .09 .00 .08 .11 .11 .19 .27 .12 1 corr .11 .14 .16 .07 .08 .05 .23 .17 .33 .33 .37 1 end data. FACTOR matrix in(cor=*) /PRINT INITIAL EXTRACTION ROTATION /PLOT EIGEN /CRITERIA factors(3) ITERATE(100) /EXTRACTION paf /CRITERIA ITERATE(100) /ROTATION VARIMAX . ***************************************. いくつかの分析をしましたが、共通性が1を超えてしまいます。 **********************************************. PAF attempted to extract 3 factors. In iteration 47 communality of a variable exceeded 1.0. Extraction was terminated. **********************************************. 上のプログラムだとこのようなエラーメッセージがでてきます。表4ー5なら3因 子でバリマックス回転していますから、3因子解が求まるはずです。また、5因子 解でも同じように求まりません。 私のいれたデータが間違っているのか、因子の求め方が間違っているのかはたまた SPSSがおかしいのか。南風原さんはどのように求められたのでしょうか。やっ ぱりSASでしょうか。しかし、因子分析でおおきな違いがでるとはおもえないで すよね。 ついでにお尋ねしますと、グールドは知能の問題として一般因子を否定しています (『人間の測り間違い』(今現物が見るからないのでアバウト)等)。しかし、い くつかの知能テストの結果は、一般因子があるような結果です。この章では南風原 さんは一般知能とはいっていないですが、下位検査合計点を総合的な知能の指標と することについて、少なくともこの検査に関しては肯定していますね。グールドの ような見解は、多因子説または直交解の安易な信奉のように思えるのですがどう思 いますか。 香川大学経済学部 堀 啓造 hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp
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