[fpr 244] グールドの考え方について

桑原恒夫


>堀 啓造@香川大学経済学部です。
>これは利用の問題も含まれています。高校進学の偏差値問題は数字を絶対 
化
>した挙げ句の果ての高校ランク絶対化だったのではないでしょうか。数字 
の
>神格化が行われています。標準テストや知能テストよりもテスト的に劣る 
は
>ずのものでこのよう
>なことが起こるのですから、恐ろしいことです。
> 知能テストもテストの数値を絶対化するのは危険です。ビネーは学校に 
い
>かせない母親を説得する材料として知能テストをつくらされたという話を 
よ
>んだことがあ
>りますが、今は知能指数90以下だと半自動的に特殊学級(?)に入れさ 
せ
>るとい
>使い方をしている小学校もあると聞きました。単にこのようなことに使う 
な
>ら、知能検査作成者は原爆作成者と同じく弾劾されるべきものでしょうね 
。

>たまたま手に入れた Compton's interactive encyclopedia for windows.
>1995ed. の知能テストの解説ではテスト結果の見方という項があり、(a)学 
年>によって変動する、(b)知能テストの種類によって変動する、(c)潜在能 
力で
>はなく現在の
>能力を測っている等の注意を入れている。さらに、注意深い検査官は10 
5
>と記載せず、100−110と範囲をかくと指摘している。このように数 
値
>の絶対化というのは利用者側の問題としてもあることに注意を払うべきで 
あ
>る。

>(3)(4)問題について、是非心理測定を専門としている方および日常テスト 
を
>使っている方に知能テスト以外の測定についてお答えいただきたいですね 
。

NTTの桑原と申します。
このMLは、今までread onlyでした。初めて投稿させて頂きます。
私は心理学の専門家ではありません。(ここ2年で、多少はかじりました。 
)
仕事としては、コンピュ−タの利用法のマニュアルとがコンピュ−タ言語用 
の
教材の作成をしております。

そのかなでのテーマとして
(1)どのような教材が分かりやすいか。(作成法)
(2)作った教材がどの程度分かりやすいか。(評価法)
の研究をしております。

さて
(2)において、分かりやすさの一つの基準として「学習完了時間」を
採用しています。(学習完了の判定は演習問題に正解すること。)
そうすると、学習者の学習前の「知識レベルを一定」にしておいても
学習者の「理解能力」によって「学習完了時間」に偏差が
生じます。その偏差を縮小するため、ある種の能力テストの結果で正規化す 
る事で、この偏差を縮小させる様にしています。

具体的には三段論法試験(学習対象のコンピュータとは、内容的に全く関係 
のないものです)によって学習者の演繹推論能力を測定し、これで各人の「 
学習完了時間」を正規化して評価します。
詳しい説明は省きますが、これによって偏差が大幅に縮小します。

つまり「能力テスト」を人間の評価に使うのではなく、「教材の評価」に使 
っています。

このような使用法について、色々な側面から(技術的・道義的)のご意見・ 
ご批判をお聞かせ頂ければ幸いです。

文献としては
(1))桑原:「メンタルモデル形成能力の個人差を考慮したコンピュータ言語 
用教材の難易度評価法」電子情報通信学会 教育工学研究会資料 (信学技報 
)
 ET94-12-101(1994)
(2)桑原:「演繹推論能力の個人差を考慮したコンピュータ言語用教材の難 
易
度評価法」日本教育工学会雑誌Vol19、No.4 掲載予定 (1996)

 (2)はまだ刊行されてませんが、(1)でしたらご希望があれば別刷りを送付 
させて頂きます。

郵便番号319-11
茨城県那珂郡東海村白方白根162
NTTアクセス網研究所 アIG
桑原恒夫
電話029-287-7056 FAX029-287-7097
E-Mial: kuwabara (at) nttlsl.iecl.ntt.jp


























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