[fpr 256] グールドの考え方について(3)

堀啓造

堀 啓造@香川大学経済学部です。

グールドの続きです。ジェンセン(1979)を批判して
p400
>なぜならば、ある図表で(220ページ)彼は、古典的gを第1主成分として
>計算し、次に一連の単純構造軸を得るためにすべての因子(gを含めて)
>回転させている。したがって彼はそれぞれのテストについて同じことを2
>回−第1主成分としてのgと同じ情報を単純構造軸間に分割し分散したも
>の−呈示し、いくつかのテストでは全体で100パーセント以上の情報を
>与えている。

ジェンセンの原典は見ていないので、ちょっと危ないコメントかもしれません
。もし、その因子負荷量の表を1つにしているとしたら、注意書きが必要でし
ょうが、このような見方はわりとあるのではないでしょうか。つまり、まず回
転前を、さらに、回転後の負荷量を考察するということは。私は主成分分析に
ついてですが、2つとも呈示することもあります。
 南風原さんの『心理・教育のための多変量解析−事例編』(4章)福村出版
でもそうなっています。
 因子分析を2度味わうのはいけないのでしょうか。もちろん、因子分析はモ
デルがあっての因子分析ですから、それなりの理由は必要と思います。私は、
探索的因子分析の場合、特に直交回転に固執している場合、2つとも見るべき
だと思います。それは、[fpr 194]で展開している考えからです。直交回転の
場合でも双因子モデルに合うかをチェックできます。まあ、斜交解のほうがい
いとは思いますが。

香川大学経済学部
        堀 啓造
hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp

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