堀 啓造@香川大学経済学部です。 Tokuhisa Suzuki <KGH00763 (at) niftyserve.or.jp> さんは書きました: >>>多重対応分析の場合、 >>>大隅昇るほか(1994)記述的多変量解析法 日科技連 >>>p159-160 では「すべての質問が2つの反応カテゴリーからなるときには、多 重解析 >>>は各質問の2つのカテゴリーの中の一つのカテゴリーだけに注目した主成分 分析に >>>すぎない」ということを証明しています。 > > 3類は意外に(数理的にも実用的にも)難しく思います.それこそ1週間ま >とめて会社を休んで,本と論文とパソコンに向かって勉強したい気持ちです. >私は実際に自分でIMLかなんかで書きながらやってみないと理解できないので >勉強してみますが,ソフトウエアの出力でも確認できますか?,サンプル数量 >と主成分が同値になるわけですよね.対称行列の特異値分解と,一般のデータ >行列の特異値分解との違い位があるかと想像していました.堀さんの作られた >SPSSの3類マクロの研究成果に期待を寄せています.2値変数の2カテゴリの >扱いの問題は参考書にあまり詳しく書いてないように思いますが,数年前に西 >里先生が行動計量学で論文を書いていた記憶があります. 数量化3類と対応分析はわけたほうがいいのではないかというのが今の私の考え です。対応分析はよくわからないけど、ま、数学的に証明している人がいるなら そういうことでしょという程度です。 数量化3類のほうは前にniftyのSSPSSで書いたように、すべての頻度 が同じでないと主成分分析と同じにはならない。つまり、対応分析と数量化3類 とは分析している出発点に違いがあるのです。しかし、結果は同じになるのだろ うか。この点は数学的にチェックできるほど力がないのです。 数量化3類は基本的に非対称行列の一般固有値問題になっているのです。主成分 分析に対応するには、対称行列の固有値問題に帰着しないといけないはずです。 (すごくおおざっぱな理解) 数量化3類の数学的展開は 柳井・高根(1985)新版多変量解析法 朝倉書店 p183-186 の分割表のロジックが数量化3類にも適用できます。 なお、 駒澤勉(1986)数量化理論とデータ処理 朝倉書店 p136-137 は式に一部誤植があります。第5刷で直っていないのはちょっと問題 があります。駒沢氏は数量化についてはパソコン版とか放送大学版とかでていま す。新しさという点では放送大学版がいいのかもしれません。 それで、SASを使えばどうなるかなとチェックを入れようとしたら、ガーン。 SAS用のワークステーションの様子がおかしい。調べてもらったらハードディ スクがいかれていた。NECだからしかたがないか。またまたSASをインスト ールしなければならない(^^;。あ、ハードディスクのほうはもう取り替えたとい う連絡をもらいました。このあたりは迅速。 > 著者というのは corresp の開発者のことですか.これは Young とその弟子 >たちです.今は Kuhfeld がメンテナンス係だと思います.日本語の文献が引 >用されているのは高根先生が関与しているせいだと想像しています(あくまで >私の想像なので不明.ひょっとして日本語が読めるのかも?). > 少なくとも Kuhfeld は日本語は読めません.来日したとき聞いたのです >が,コンジョイント分析のプロシジャ開発にあたっては,SPSS の開発者とよ >く議論しながら SPSS を参考にしたそうです.「あちらでは案外,仲良くやっ >てるんだなぁ」とびっくりしました. このあたりの裏話には精通していますね。来日したときには精力的にでているの でしょうね。 インターネットの丸善で検索したらでてきた本がありました。 Benzecri,J.-P.(1992) Correspondence analysis handobook. Dekker;NY. 665pp. \21,228(送料込み)買う必要はあまりないだろう。 この本を見ていると、バート行列をつくるプログラムというのがありましたから 、多重対応分析のための特別のプログラムは多用されているわけではなさそうで すね。大隅ほか(1994)では多重対応分析のためにはメモリを効率よく利用する特 別のプログラムがあるみたいでしたが。 香川大学経済学部 堀 啓造 hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp
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