はじめまして,かねてからROMでした岡田 努@新潟大学ともうします. 専攻が青年期の発達といった軟派なことをしているため,統計については どうも初歩的なことが,分からなくなることがしばしばあります. これもその一つかもしれないのですが... 分散・共分散行列をもとにした主成分分析での「主成分負荷量」の解釈の仕方 について,混乱しています.. わけあって,上記の指標によって,主成分を解釈しなければならないのですが... 多くの教科書では,抽出された主成分を解釈する指標として「固有ベクトル」を 用いることは,説明されていますが,主成分負荷量についての説明というのは どうも見当たりません. ところがhalbau(ver4)という現代数学社から出ているソフトの出力では, 固有ベクトルではなく「主成分負荷量」が出力されます. 「相関行列を元にした主成分分析」の場合の負荷量ならば,因子負荷量と同じような 基準で解釈できるのではないかと思うのですが,「分散共分散行列」をもとにした 主成分負荷量は,−1〜+1の範囲に納まらないようです. この場合,どのような基準で考えたらよいのでしょうか? halbauのマニュアル(多変量解析編)には分散共分散行列による分析に関しては, 説明が書かれていませんでした.手元の多変量解析の教科書を5,6冊当たった のですが,いずれも,「主成分負荷量」という言葉は,全く登場しません. (唯一,一冊だけ「(固有値のルート)×固有ベクトルのことだ」とだけ, 書かれている本があっただけです.) 教科書に載っている数値例データを 1.SAS:PROC FACTOR METHOD=P PRIORS=ONE COVとして主成分分析 2.SAS:PROC PRINCOMP COVとして主成分分析 3.HALBAU で比較してみたのですが, 2での固有ベクトルの出力と,教科書に載っている固有ベクトルは当然一致します. しかし,1.の「FACOTR PATTERN」とHALBAUの「主成分負荷量」とは全然違う値です. また2.での(固有値のルート)×(固有ベクトル)をやっても, 3.の負荷量とは全然違う値になってしまいます. もちろん主成分スコアも(HALBAUと その他では)全く一致しません. (相関行列を用いた主成分分析については,HALBAUの「負荷量」と SASや教科書の(固有値のルート)×(固有ベクトル)は,一致するのですが...) というわけで,主成分負荷量というものが,どういう指標で,どう解釈できる ものなのか?が不明な上に,教科書には,全然別の指標しか載ってない?? というのは,一体どうなっているのでしょうか??? というところで混乱しております. 主成分「負荷量」について(特に分散・共分散行列をもとにした場合について) 分かりやすく書いてある本などがありましたら,ぜひご紹介下さい. どうか,よろしくご教示いただければ幸いに存じます. 岡田 努 >----------------------------------------------------------------< Tsutomu Okada okada (at) ed.niigata-u.ac.jp Niigata University Faculty of Education Department of Educational Psychology <----------------------------------------------------------------> >----------------------------------------------------------------< Tsutomu Okada okada (at) ed.niigata-u.ac.jp Niigata University Faculty of Education Department of Educational Psychology <---------------------------------------------------------------->
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