鈴木@日経リサーチです 堀さん wrote: 》p188〜p191だけ(重相関法(1))を見直しました。この部分初版1刷と 》私のもっている初版4刷(1971)で内容が変わっていました。 》相関行列から、求めてみますと、標準重みベクトルが再現されない。 》でもいい機会なのでお聞きします、標準重みベクトルは標準偏回帰係数とは 》違うモノなんですか。それを使う意味はなんなんでしょうか。 SPSSのプログラム付きでありがとうございます。SPSSでチャレンジし てみます。ところで私の読んだ本は第2版(1975)でした。手元にあるのは第7 刷(1987)で、例題は全然違うようです。第2版では重相関法の説明はあっさり したものです。偏回帰係数の解釈や、主成分による重回帰などの話題は応用家 には有意義です。 私も興味がありましたので第2版の例(p.130)を確認しましたが再現しました。 やはり相関行列から求める「計算法」なのですがSPSSでなくSASで確認 しました。結果は本と同じなので示しません。共通語でなくて恐縮です(つい 慣れた言語を使ってしまう)。 proc iml ; r = { 1 0.818 0.796 0.051 0.169 , 0.818 1 0.717 0.189 0.171 , 0.796 0.717 1 0.084 0.155 , 0.051 0.189 0.084 1 0.649 , 0.169 0.171 0.155 0.649 1 } ; rc = { 0.258, 0.288, 0.247, 0.637, 0.710 } ; 以上が本に掲載された相関行列です。「ベクトルw」は、 w = inv( r ) * rc ; ということなので、標準偏回帰係数と同じですね。rが分散共分散行列なら、 偏回帰係数になる。重相関係数myuはwを使って、 myu2 = t( rc ) * w ; myu = sqrt( myu2 ) ; いわゆる「標準重みベクトル」は、標準偏回帰係数の各要素を重相関係数で割 ったものということで、本のとおりに書くと、 ws = ( 1/ myu ) # w ; 本の記号説明は「標準重みベクトル(標準偏回帰係数ベクトル)」となってい て、まぎらわしいです。両者の違いは計算上はそういうことで、予測値(合成 変量)は分散が1か、重相関係数か、というだけですね。しかし回帰分析の文 脈で予測値の分散を1に基準化する「標準重みベクトル」がどういう意味を持 つか、私には分かりません。また重回帰分析の勉強のために、このような説明 の仕方がベストなのか、学校の先生の立場とは違うのでその意味も不明です。 私としては統一的な場所から、多変量解析を説明する時の説明の仕方として面 白いと思いました。合成変量と、重みベクトルと、構造ベクトルという道具だ けが印象に残る本ですが、線形代数の勉強もかねて、ビシネスマンの入門教科 書としては多変量解析の「ある」意味がわかってちょうどいいレベルだと思い ます。
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。