狩野@つくば大学です > > 堀 啓造@香川大学経済学部です。 > > 狩野さんのBASIC数学連載中の共分散構造分析とソフトウェア興味深く読んでいます > 。 > 1996年8月号 p37 > ----------------------------------------------------------------------------- > (i)帰無仮説が棄却されないときモデルを採択する、というアクションが間違いであると > いう可能性は第2種の過誤βで、βの大きさは定量的に測ることができない。 > ----------------------------------------------------------------------------- > とあります。 > MacCallum,R.C.,Browne,M.W.,and Sugawara,H.M.(1996)Power analysis and > determination of sample size for covariance structure modeling. > Psychological Methods,1(2),130-149. > がpower の指標をとりあえずつくっていますが、これを目安にするというのはどうなので > しょうか。9つの心理テストの採択したモデルは自由度23(ですね)ですから > power estimation for csm > > RMSEA0 RMSEAA ALPHA DF N POWER I > > .050 .080 .050 23 145 .371 1128 > .050 .010 .050 23 145 .236 4029 > (SASプログラムをSPSSに移植したもので計算しました。) > close fit の power が.371, not close fit の power が .236 といずれもpower は十 > 分ではありません。ということになるのですが、使っていいモノかどうかよくわからない > 。少なくとも目安程度には使えると思うのですがいかがでしょうか。 > 現在、この論文が手元にないので何とも言えません。検出力の検討は、power analysis といわれ、共分散構造分析では、1980 年代半ばから、Saris(オラン ダ)とSattora(スペイン)などによって研究されてきました。基本的な考え方は、 検定統計量が、(帰無仮説に非常に近い)対立仮説のもとで、非心カイ2乗分布 で近似できることを利用して検出力を計算します。ただ、適切な対立仮説の取 り方が難しいこともあり、実用化されていません。私自身も不勉強ですので、 もう少し勉強してから、紹介させていただきたいと思います。 なお、蛇足ですが、堀さんが引用されている文献の著者についてお知らせしま す。MacCallum,R.C.とBrowne,M.W.はオハイオ州立大学心理学科教授です。 MacCallum,R.C.は、Sugawara,H.M(菅原葉月)の superviser です。Sugawara,H.M (菅原葉月)はPh.D.取得後既に帰国していて、現在新聞社に勤めておられるはず です。数年前、日本行動計量学会で「共分散構造分析」のセッションオーガナイ ザーを仰せつかった時、彼女を invite したことがあります(帰国旅費が出せな かった為、断られた。) 今夏、Browne,M.W. を筑波大学に招聘します。行動計量学会(千葉・幕張 9/7(土)〜9/9(月))でも one-hour talk をすることになっていますので、 興味がおありの方は是非ともご参加下さい。 ==================================================================== 狩野 裕 (筑波大学数学系) Phone&Fax: 0298-53-4229(DI) address: 〒305 つくば市天王台1-1-1 Fax: 0298-53-6501(Department) e-mail: kano (at) math.tsukuba.ac.jp ====================================================================
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