堀 啓造@香川大学経済学部です。
鈴木さん@日経リサーチに便乗質問。[fpr 369]
ちょっとEQSを使ってみました。
>鈴木@日経リサーチさん[fpr 369]からの引用です.
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>服部・海保(1996)『心理データ解析』(福村出版)を読みました。8章の共分散
>構造分析を勉強しようと思い、p.174の「5教科のデータ」を CALIS ( R6.10 )
EQSで分析してみました。
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GOODNESS OF FIT SUMMARY
INDEPENDENCE MODEL CHI-SQUARE = 76.433 ON 10 DEGREES OF FREEDOM
INDEPENDENCE AIC = 56.43311 INDEPENDENCE CAIC = 11.83726
MODEL AIC = -2.50337 MODEL CAIC = -15.88213
CHI-SQUARE = 3.497 BASED ON 3 DEGREES OF FREEDOM
PROBABILITY VALUE FOR THE CHI-SQUARE STATISTIC IS 0.32120
BENTLER-BONETT NORMED FIT INDEX= 0.954
BENTLER-BONETT NONNORMED FIT INDEX= 0.975
COMPARATIVE FIT INDEX (CFI) = 0.993
BOLLEN (IFI) FIT INDEX= 0.993
McDonald (MFI) FIT INDEX= 0.999
LISREL GFI FIT INDEX= 0.994
LISREL AGFI FIT INDEX= 0.970
ROOT MEAN SQUARED RESIDUAL (RMR) = 1.839
STANDARDIZED RMR = 0.022
ROOT MEAN SQ. ERROR OF APP.(RMSEA)= 0.027
90% CONFIDENCE INTERVAL OF RMSEA ( 0.000, 0.116)
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誤解があるかもしれません。
(1)ここでの MODEL AIC は飽和モデル(共分散構造行列)との比較になっていますね(?
)。そうすると、これがマイナスならそのモデルは採択可能の範囲にあることを示してい
て、ほかのGFIやAGFIを参照する必要がなくなるのでは。
P176 の
STEP-1 絶対評価
STEP-2 相対評価
のところの問題です。確かに豊田さんの『SASによる共分散構造分析』東京大学出版会
(初版1刷)p104にあるように標本数が大きすぎるときの問題があるならSTEP-1 も重要
ですが、それがない場合はMODEL AIC ですませたらどうでしょう。
(ついでにこの豊田さんのこのページに書いてある、シュヴァーツのベイジアン基準SB
CというのがBICですね。>富田拓郎さん@早大大学院 SASでは求めていたのか)
もっとも、AICにするかCAIにするかでモデルの選択が異なっていることが指摘され
ています(Joreskog(1993)in "Testing SEM",Sage)
(2)BentlerはEQSのマニュアルの付録でSTANDARDIZED RMR を薦めていますがどうなん
でしょうか。ワーキングペーパーをとってこないとどう判断するかもわからない。
(3)
> 90% CONFIDENCE INTERVAL OF RMSEA ( 0.000, 0.116)
が気になって検出力を出してみました。
RMSEA0 RMSEAA ALPHA DF N POWER I
.050 .080 .050 3 235 .174 1672
.050 .010 .050 3 235 .105 2789
検出力はあまりないようです。しかし、AICからすると十分か。AICはモデル間の相
対的評価ということから、そのデータでどれがベストか言い切ってしまう点でインパクト
が強い。
(4)SASとEQSがAIC=χ2−2df を使っているのは問題がありそう。AICだ
から2tを使うのが筋のように思えるが、dfを使う意味がなにかあるのでしょうか。
香川大学経済学部
堀 啓造
e-mail hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp
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