宇都宮大学の服部 環です. 堀 啓造@香川大学経済学部[fpr371]から引用 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> (1)ここでの MODEL AIC は飽和モデル(共分散構造行列)との比較になっていますね (?)。そうすると、これがマイナスならそのモデルは採択可能の範囲にあることを 示していて、ほかのGFIやAGFIを参照する必要がなくなるのでは。 P176 の STEP-1 絶対評価 STEP-2 相対評価 のところの問題です。確かに豊田さんの『SASによる共分散構造分析』東京大学出 版会(初版1刷)p104にあるように標本数が大きすぎるときの問題があるならSTEP- 1 も重要ですが、それがない場合はMODEL AIC ですませたらどうでしょう。 <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< 情報量基準だけでモデルを評価しますと,自分の考えたモデルが本当はどれも不適 切なとき,結果的におなしなモデルを採択してしまうことになります.そこで,それ を避けるためには,絶対評価が可能な指標を用いて採択可能な範囲に入るモデルをい くつか残し,その上で,モデルに順番をつけるのがよいだろうと,豊田さんの本を読 んで思ったわけです. AIC=χ自乗+2t{=χ自乗−2df} ですから,AICはχ自乗と同様に標本の大 きさの影響を受けて,標本の大きさが大きくなるほど,推定母数の数が大きいモデル が採択される傾向にあります.その標本の大きさを考慮した情報量基準(CAIC=CIC, SBC)もありますが,こちらの方は,標本の大きさが小さいとき,推定母数の小さい モデルを採択傾向にあります.そのため,AICとCAICとSBCでモデルの優劣の順序が異 なってしまい,どのモデルも捨てられない,ということもあります(これは堀さんの 発言にもあります). >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> (2)BentlerはEQSのマニュアルの付録でSTANDARDIZED RMR を薦めていますがどう なんでしょうか。ワーキングペーパーをとってこないとどう判断するかもわからない。 <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< ”これくらいの値ならば採択できそうだ”,”2つのモデルの間でこれだけの差が あるから,こっちのモデルの方が良いだろう”といった基準を設定するのが難しいよ うに思います(他の指標も基準の設定は難しいのでしょうけど).いかがでしょうか. 標本の大きさの影響を受けない(と思いますが)のは,いいですね. >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> (3)> 90% CONFIDENCE INTERVAL OF RMSEA ( 0.000, 0.116) が気になって検出力を出してみました。 RMSEA0 RMSEAA ALPHA DF N POWER I .050 .080 .050 3 235 .174 1672 .050 .010 .050 3 235 .105 2789検出力はあまりないようです。しかし、AICからすると十分か。AICはモデ ル間 の相対的評価ということから、そのデータでどれがベストか言い切ってしまう点でイ ンパクトが強い。 <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< 改めて数値を見ますと,RMSEAの点推定値が0.05よりも小さい(このデータは0.02 7)ですし(この判断も経験的ですが,結構,納得できる結果が多いです),信頼区 間の下限が0.000になっていますので,採択しても良いと判断します.ただし,RM SEAも標本の大きさの影響を受けます. こんなに検定力が小さいのですか.モデルの自由度が小さいのが原因ですか. 堀 啓造@香川大学経済学部[fpr373]からの引用 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> >(4)SASとEQSがAIC=χ2−2df を使っているのは問題がありそう。AI Cだ >から2tを使うのが筋のように思えるが、dfを使う意味がなにかあるのでしょうか。 Bollen and Long (eds.) Testing structural equation models. Sage. 1993 を眺めていると、Bollen, Joreskogの2人は別の章を書いていますが、 AIC=χ2−2df を使ってます。宗旨替えか。こちらのほうがメリットがあるの かな。Bollen の章のグラフを見ていると、マイナスに意味がありそうがグラフがで <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< 1つのモデルだけが登場して,適合度指標として図中にAICを書き込んであった論 文を見た記憶があります.そのときは,AICは相対評価に使うのだから,1つのモデ ルの評価には不要な,まったく無意味なことをしていると思いました(今も,まだ, そう思っています).それとも,意味があったのかな. >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> ています。やはり知りたい、どういう意味があるのか。 <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< メリットがあるなら,私も知りたい. 同書でもTanakaは χ自乗+2t の方を紹介しています.ちなみに,AMOSも χ自 乗+2t です.相対評価に使うならどっちでも構いませんね.
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。