[fpr 375] AIC of CSA

服部環

宇都宮大学の服部 環です.

堀 啓造@香川大学経済学部[fpr371]から引用

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(1)ここでの MODEL AIC は飽和モデル(共分散構造行列)との比較になっていますね
(?)。そうすると、これがマイナスならそのモデルは採択可能の範囲にあることを
示していて、ほかのGFIやAGFIを参照する必要がなくなるのでは。
P176 の
STEP-1 絶対評価
STEP-2 相対評価
のところの問題です。確かに豊田さんの『SASによる共分散構造分析』東京大学出
版会(初版1刷)p104にあるように標本数が大きすぎるときの問題があるならSTEP-
1 も重要ですが、それがない場合はMODEL AIC ですませたらどうでしょう。 
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 情報量基準だけでモデルを評価しますと,自分の考えたモデルが本当はどれも不適
切なとき,結果的におなしなモデルを採択してしまうことになります.そこで,それ
を避けるためには,絶対評価が可能な指標を用いて採択可能な範囲に入るモデルをい
くつか残し,その上で,モデルに順番をつけるのがよいだろうと,豊田さんの本を読
んで思ったわけです.
 AIC=χ自乗+2t{=χ自乗−2df} ですから,AICはχ自乗と同様に標本の大
きさの影響を受けて,標本の大きさが大きくなるほど,推定母数の数が大きいモデル
が採択される傾向にあります.その標本の大きさを考慮した情報量基準(CAIC=CIC,
SBC)もありますが,こちらの方は,標本の大きさが小さいとき,推定母数の小さい
モデルを採択傾向にあります.そのため,AICとCAICとSBCでモデルの優劣の順序が異
なってしまい,どのモデルも捨てられない,ということもあります(これは堀さんの
発言にもあります).

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(2)BentlerはEQSのマニュアルの付録でSTANDARDIZED RMR を薦めていますがどう
なんでしょうか。ワーキングペーパーをとってこないとどう判断するかもわからない。
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 ”これくらいの値ならば採択できそうだ”,”2つのモデルの間でこれだけの差が
あるから,こっちのモデルの方が良いだろう”といった基準を設定するのが難しいよ
うに思います(他の指標も基準の設定は難しいのでしょうけど).いかがでしょうか.
 標本の大きさの影響を受けない(と思いますが)のは,いいですね.

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(3)> 90% CONFIDENCE INTERVAL OF RMSEA (       0.000,       0.116)
が気になって検出力を出してみました。
  RMSEA0      RMSEAA       ALPHA          DF           N       POWER          
 I    .050        .080        .050           3         235        .174        
1672    .050        .010        .050           3         235        .105      
  2789検出力はあまりないようです。しかし、AICからすると十分か。AICはモデ
ル間
の相対的評価ということから、そのデータでどれがベストか言い切ってしまう点でイ
ンパクトが強い。
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 改めて数値を見ますと,RMSEAの点推定値が0.05よりも小さい(このデータは0.02
7)ですし(この判断も経験的ですが,結構,納得できる結果が多いです),信頼区
間の下限が0.000になっていますので,採択しても良いと判断します.ただし,RM
SEAも標本の大きさの影響を受けます.
 こんなに検定力が小さいのですか.モデルの自由度が小さいのが原因ですか.


堀 啓造@香川大学経済学部[fpr373]からの引用
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>(4)SASとEQSがAIC=χ2−2df を使っているのは問題がありそう。AI
Cだ
>から2tを使うのが筋のように思えるが、dfを使う意味がなにかあるのでしょうか。

Bollen and Long (eds.) Testing structural equation models. Sage. 1993

を眺めていると、Bollen, Joreskogの2人は別の章を書いていますが、
AIC=χ2−2df を使ってます。宗旨替えか。こちらのほうがメリットがあるの
かな。Bollen の章のグラフを見ていると、マイナスに意味がありそうがグラフがで
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 1つのモデルだけが登場して,適合度指標として図中にAICを書き込んであった論
文を見た記憶があります.そのときは,AICは相対評価に使うのだから,1つのモデ
ルの評価には不要な,まったく無意味なことをしていると思いました(今も,まだ,
そう思っています).それとも,意味があったのかな.

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ています。やはり知りたい、どういう意味があるのか。
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 メリットがあるなら,私も知りたい.
 同書でもTanakaは χ自乗+2t の方を紹介しています.ちなみに,AMOSも χ自
乗+2t です.相対評価に使うならどっちでも構いませんね.

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