堀@香川大学経済学部です。 日心のワークショップも盛会のうちにおわりよかったですね。服部さんをはじめ関係者の みなさんご苦労さんでした。 わたしも発言をしようかとおもいつつ、某先生のハイになった状態におされ発言を控えま した。 (1)SPSSの固有値。 回転後の負荷量の2乗和は7.5(日本版の次のバージョン)から出力するということで す。SPSSユーザのこのエピソードは、固有値という用語の問題もありますが、回転前 の値をつかっているという点もあり、2重に間違ってます。2重の間違いだと厳しくいっ ていなかったので追加しておきます。(きちんと聴いていてればそれはわかるのですが、 そのレベルのユーザにははっきりいわなければなりません)。 (2)因子分析と主成分分析+バリマックス回転。 350変数を使う場合、主成分分析でないと時間がかかる。350変数は使ったことない からしりませんが、おそらく幾何級数かそれ以上の率で計算時間が増えるのでしょうから 、なんとなく想像できます。まあ、昔のようにすくない変数でも一晩かかる時代を考えれ ば大した時間ではないかもしれない。このあたりはよくわからない。 しかし、単に尺度化を作るためにするのなら、因子分析よりも主成分分析+バリマック ス回転でしょうね。あとで使うのは素点を足すだけの尺度なんだから。因子分析というの はあくまでモデルを想定している、そういう高度なことに使ってほしい。 (3)因子分析の方法によって、異なる因子に負荷する。 この問題は前提によって対処が異なるのではないでしょうか。 (a)被験者が100人とか200人の少数の場合 相関係数は安定していないのだから、それで決定しようというのは間違い (b)尺度化していない素点を使っている場合(とくに5段階とか7段階の項目) その違いは重要な問題でないはず。尺度化してはじめてその違いは重要になる。 (c)尺度化している場合 それが重要ならそれを決定するような実験を組むべきでは? (4)主成分分析+回転 これをどう位置づけるかを前にも問題にしました。服部さんの回答は因子分析でもないし 、主成分分析でもないということですね。ではなんだろう。問題はやはり回転が一意では ないということでしょうね。回転が一意なら、記述的方法として主成分分析のバリエーシ ョンといえるのでしょうが、一意でない回転を行っている。実用的に使われているあやし げなものということになるのでしょうか。 香川大学経済学部 堀 啓造 e-mail hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp home page http://fourier.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/
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