長谷川@岡山大学文学部心理学教室です。 ワークショップではたいへんお世話になりました。 このWSは、3年前にネットニュースfj.sci.psychologyで提案させていただき、呼びかけに応 じていただいた松井孝雄さん、望月要さんの3人で細々と始めたものだったのですが、橘さん、 南風原さん、服部さん、...と、話題提供者に恵まれ、ここまで発展させていただくことがで きました。 話題提供者ばかりでなく、フロアでも、昨年は池田央先生、今年は柏木先生や柳井先生など、統 計解析の大御所の先生から積極的な御発言をいただきました。 企画者としては、シロアリの巣をつついていたら象が飛び出してきた、あるいはちょっと焚き火 にあたって談笑するつもりが山火事になってしまった、といった感じです。 さて、柏木先生の御発言の中で、“どれを選ぶかに客観的基準はない、あなたが自分で決めなさ い、ただし周りを納得させなければなりませんよ、一流の雑誌に投稿してレフェリーを納得させ るんだ”というようなお言葉がありましたが、“納得させる”ための具体的な筋道がいまひとつ わかりませんでした。政治的圧力で納得させるわけではないことは私にもわかるのですが、その 時代の流行とか主流派の見解に流されるおそれはないんでしょうか。 それから今後のことですが、インターネットの時代ですから、これからは、このメイリングリス トが議論の主体となり(松井さんご苦労様です)、ワークショップそのものは“顔見せ”になっ ていってよいのではないかと思います。もちろん“顔見せ”と言えども、話題提供が面白くなけ れば人は集まりませんが。 それとこのメイリングリストは、統計解析ばかりを話題にするのではなく、実験計画とか研究法 全般についても議論する場であったはずなので、その方面での御発言も期待したいと思います。 私自身が最近感じるのは、“何で、個体差ばかりを説明したがるのか”ということです。 9月末の卒論題目提出期限を前に、私のところによく学生が相談に来るのですけれど、たとえば “適当にDIETをしている人と本気でDIETをしている人の差はどこから来るのか?”といった問題 の立て方をします。 もちろん時と場合によっては、個体差を分析することが行動の原因の解明に役立つこともあると は思いますが、...。 まあ、こういったこともfprの話題になるのではないかという一例として申し上げました。 (じつはこのことで自己フォローする余裕はないのです)。 それでは今後ともよろしくお願いします。 ******************************************************** 長谷川芳典 Yoshinori Hasegawa 電話 086-251-7402 共用Fax 086-253-1449 700 岡山市津島中3-1-1 岡山大学文学部心理学教室 常用E-mail hasegawa (at) cc.okayama-u.ac.jp (上記が不通の場合は F00975 (at) sinet.ad.jp) http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/hase/h0u.html *******************************************************
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。