[fpr 397] 日心ワークショップ

堀啓造

堀@香川大学経済学部です。

長谷川芳典さん[fpr 396] へのコメントです。
>
>さて、柏木先生の御発言の中で、“どれを選ぶかに客観的基準はない、あなたが自分で
決めなさ
>い、ただし周りを納得させなければなりませんよ、一流の雑誌に投稿してレフェリーを
納得させ
>るんだ”というようなお言葉がありましたが、“納得させる”ための具体的な筋道がい
まひとつ
>わかりませんでした。政治的圧力で納得させるわけではないことは私にもわかるのです
が、その
>時代の流行とか主流派の見解に流されるおそれはないんでしょうか。

そのおそれは常にありまし、そうなっているのでは。

柏木先生は当日の発言からもわかるように性格の因子を頭において発言してますね。
big 5 というのは因子数として5つというのにも異論はありますが、5因子と認めたとし
ても、不定になるという問題があります。集めた項目と因子分析の手法に依存しますから
きわめて困難な問題に直面しているわけです。

私は、次の論文にいっているcircumplexという考え方がいいと思います。
Johnson,J.A., & Ostendorf,F. 1993 Clarification of the five-factor model
with the abridged big five dimensional circumplex. Journal of Personality
and Social Psychology, 563-576.
しかし、big fiveの人格の口頭発表部門ではこれに対する言及はなかったです。そこでは
柏木先生も発表されていました。

本論にもどって、説得する材料としては方法論的な説得が一つあります。
(1)この因子分析ででたのだから、絶対ですというわけです。タイプとしては2つ。
(a)従来から使われている
(b)もっとも単純構造を示す回転法だあ。
それと強引に
(c)この方法が一番いいんだ。
(わたしは相関行列を分析する場合、複数の方法で同様の結果がでる程度の安定性は求め
られるのではないかと思っている。(2)を使うほうがベターか)

(2)このほか因子抽出の安定性をいうわけで、サンプルを2つにわけて分析しても同一の
構造がでた。

(3)最初の仮説に合致した。確証的因子分析はこのタイプですね。

そのほかに同一因子ならこういうことが起こるが違う因子ならこうなると仮説演繹をして
立証する。心理学なら本来この方法でないのというのが、前の発言です。

大ざっぱなのでフォローよろしく。

香川大学経済学部
        堀 啓造
e-mail    hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp
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