[fpr 411] fpr406and407

Y.Hasegawa長谷川

長谷川@岡山大学文学部心理学教室です。
論文の締切と10月の国際会議を前に、自己ハンディキャップ行動として、fprでの発言が多く
なっています(それをここに記述するのも“ハンディキャップの予告”か?)。

岡本さん[fpr:406]:
> だいたい、分散分析は、昔(1980年頃)使ったことのあるSPSSでは回帰分析の
>特別な場合として位置付けられていました。それなら、連続量として得られている
>性格などのスコアは、カテゴライズして分散分析にもちこまずに、連続量のまま
>回帰分析にかける方が自然です。これは、私のところだけの現象であればよいのですが。

そうなんですよね。WSの第1回目に話題提供をしていただいた橘さんの本にも
連続変数を連続変数のまま分析しないで、例えばせっかく年齢を調べているのに、わざと30-39
歳、40-49歳、60-69歳のようにカテゴリー分けすることの問題点が指摘されています(p.107)。
ところで、統計学の歴史については全く無知なんでどなたかご教示いただきたいのですが、
分散分析の考案者はフィッシャーでよかったですかね。“回帰分析の特別な場合”という位置づ
けはSPSSだけの位置づけなのでしょうか。それとも、歴史的にもそういうふうに発展したの
でしょうか。
そう言えば、“統計学けんか物語”に何か書いてあったような...。


南風原さん[fpr:407]:
>それに対して後者の場合,個体内分析による結論が個体を超えてどれだけ一般性を
>もつかが,追試という形で自然に検討されることになります。

このことと関係ないかもしれませんが、3回生向けの“心理学研究法2”という授業の発表会で
あるグループが、“4匹中3匹のハムスターで明暗弁別ができた”という実験結果を発表しまし
た。
これに対して、ある教官が“4匹中3匹というと、25%はできなかったということになるが
それでも“ハムスターは明暗弁別ができると言ってよいのか”という質問をしていました。
別の例として
京大霊長研のチンパンジンのアイがいろいろな言葉を覚えたことについても、“天才のアイだか
らできたので、すべてのチンパンジーができるとは限らない”という意見があるようです。
私自身は、いずれも“動物にはこういうことはできないだろう”という一般常識に対する反例を
示すことから出発した実験であるから一例でもできればそれでよいと思っているのですが。

追記:fpr408とfpr409の番号でへんてこなメイルが届いていたらたぶん私のせいです。
ごめんなさい。



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 長谷川芳典
 Yoshinori Hasegawa                             
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