[fpr 419] 線形

南風原朝和

南風原です。

長谷川さんは以下のように書いています [fpr 417]。

 >> ふむふむ、5歳の子供が10歳になるのと、50歳の大人が
 >> 100歳になるのが同じ意味を持つとは考えにくいけれど、
 >> 研究の出発点としては比率尺度として扱っておいて、結果を
 >> 見てから次の分析方法を考えるというわけですね。

5歳の子供が10歳になるまでの時間と,50歳の大人が55歳
になるまでの時間が同じ量の時間だという意味において,研究の
出発点でも終点でも年齢は比尺度と考えられるということです。

 >> 例えば、血圧を下げる薬がA、B2種類あって、高血圧の人
 >> 20人を2群に分けて効き目を検討したとします。この時、
 >> 薬Aは平均5%、薬Bは平均10%血圧を下げる効果がある
 >> というようなことを言ってよいのでしょうか。

個人の血圧低下率を明確に変数として定義しておけば,その平均
が群間でどのように異なるかという議論をすること自体には問題
はないのではないでしょうか。(分析法としては他にも,たとえ
ば事後血圧の事前血圧への回帰を2群間で比較するなどの方法も
ありますが。)

岡本さんは以下のように書いています [fpr 418]。

 >> クイズの正答数は、個数を表わしているという点では絶対尺
 >> 度です。しかし、テスト理論的には一応、順序尺度として分
 >> 析を始めるのが一般的だと思います。

クイズの正答数をテスト得点とみなす場合,古典的テスト理論で
は,その得点を間隔尺度のように扱って,信頼性などを定義して
います。また項目反応理論では正答数を順序尺度として分析を始
めるというより,正誤のパタンを分析の出発点にしているのでは
ないでしょうか。

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