南風原です。 岡本さんは以下のように書いています [fpr 420]。 >> 温度は物理的には間隔尺度です。南風原さんの文章では、「 >> 20度の気温と30度の気温の感覚量としての差と、30度 >> と40度の気温の感覚量としての差は、温度は物理量として >> 間隔尺度だから、感覚量としても間隔尺度であり、従って感 >> 覚量の差としても等しい。」ということになります。 そういうことではありません。私の考えを箇条書きにしておきます。 1 温度は物理学的変数である。 2 温度は間隔尺度である。(非線形変換によって重要な性質が損 なわれる。) 3 「気温の感覚量」というのは,温度とは別の変数である。 4 気温の感覚量(何らかの方法で測定するとして)という変数と 温度という変数の間にどのような関係があるか(20度と30 度の違いをどう感じ,30度と40度の差をどう感じるか)は 実験的研究の対象となる問題であり,その結果(個人差もある かも)は,温度の尺度水準とは無関係である。 年齢の例についても,年齢という変数(出生後の経過年)と,たと えば「成熟度」「大人っぽさ」「年寄りくささ」などは別の変数で あり,年齢とそれらの変数との関係は,年齢の尺度水準とは別の問 題です。
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