南風原さんのメール[fpr 416]に次のような部分があります。 >クイズの正答数をテスト得点とみなす場合,古典的テスト理論で >は,その得点を間隔尺度のように扱って,信頼性などを定義して >います。 上の部分、常々こだわりすぎではと思っていることに関連しますので そのことについて書きます。 スコアなどの平均点を求めるとき、加減算が行われるためには少なくとも 間隔尺度でなければならないという主張があります。 演算を行うときにそれに対応する具体的な意味付けがなければならないと するのでしたら、時間の分散は無意味なのでしょうか。長さの積は面積ですが、 時間の積は何なのでしょうか。 物理学での式の変形において、その演算の各ステップにおける具体的な意味 を問題にすることなく数学的な演算が行われます。 統計量も、単に数値の分布の状態を示すものとして、数値の集まりに対する 処理として行う考え方もあります。 信頼性を求めるためには間隔尺度以上でなければならないとする考えがある とすれば、極端過ぎるのではと思います。求められた指標が心理学的にどのような 意味付け、あるいは解釈できるかは別の問題です。 岡本安晴@金沢大学文学部
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