南風原@東大教育心理です。 Y.Hasegawa/長谷川芳典さんが以下のように書いています。[fpr 463] >> もし総会でfprに関連のありそうな話題がありましたら、どなたかのホーム >> ページに概略などを紹介していただければ幸いです。 >> 私はオーバードクター時代に学会費が払いきれなくて退会したままになっ >> ておりますので。 >> Single Subjectの話が出たというような噂を聞きましたが...。 私が関係したシンポジウムでは「単一事例研究の展開と方法論的課題」 というものがありました。発達,臨床,教育,認知といった領域で最近 どのような単一事例研究が行われているか,心理学研究法全体の中にど のように位置づけられるか,実証性,一般性といったことをどう考える かといった点について,話題提供がありました。 その中で,「事例による方法」か「統計的な方法」か,といった対比に ついても若干の議論がありました。こうした対比はよく見られますが, 統計的な方法というのは単一事例実験や特定の被験者間の相互作用の観 察といった研究にも適用できるものですから,事例研究すなわち反統計, ということにはならないと思います。 対比すべきは「個々の事例に関するインテンシブな検討の結果を積み上 げていくアプローチ」と「多数の被験者に基づく平均や相関を拠り所に 結論を導くアプローチ」かと思います。主として後者のアプローチを想 定した統計的方法が開発され,利用されていることは事実ですが・・・。 このシンポと同じ時間枠であったために出席できなかった「教育心理学 における統計的方法 DOs and DON'Ts (3)」,また最後のほうしか聞けな かった「学会誌審査のあり方をめぐって」でも研究法・統計法に関する 議論があったようですが,参加した方から何か教えていただければ幸い です。 :==============================================: : 〒113 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学教育学部 : : 南風原朝和 haebara (at) educhan.p.u-tokyo.ac.jp : : TEL:03-5802-3350(直) FAX:03-3813-8807(共): :==============================================:
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