[fpr 481] 統計的方法DOs and DONTs(3)

豊田秀樹

豊田@立教社会です

Keizo Hori <hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp> さんは書きました:
>堀@香川大学経済学部です。
>(1)質問としては4の答えをおしえてほしい。多重回答にχ2検定は使え
>るのか。どなたか教えてください。

DONT'sです.

>(3)因子分析についてグールドへの言及があります。以前は逃げられてし
>まいましたが、統計学者はどう答えるのか知りたいところです。
>シンポジウムの前でも答えを教えてください。後でもいいですが。

  知能は,生体内の機能をそのまま表現した概念ではなく,多くの心理学研究で導
入される構成概念(因子分析における因子など)と本質的に同じであり,実体はあ
りません.しかし実体がないということは,有用でないということではないのです.

  たとえば掘さんが所属している学部の経済学における景気動向指数にも実体はな
いでしょう.実体は,企業が倒産したとか業績を伸ばした(ミクロレベルのDNA
の膨大な相互作用)等の個々の現象であるが,膨大な現象を眺めていても巨大な社
会(生体の複雑な営み)の全体的な変化を捕まえきれないのです.そこで,実在し
ないけれども有用で我々の素朴な直感に合致する景気動向指数(知能という構成概
念)を利用するのです.実在しない知能を仮定した分析から得られる教育学的な知
見は,同じ理由で実験室レベルの分子生物学から得ることは不可能です.

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Hideki TOYODA Ph.D., Associate Professor,      Department of Sociology
TEL +81-3-3985-2321 FAX +81-3-3985-2833, Rikkyo (St.Paul's) University
toyoda (at) rikkyo.ac.jp  3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan                                  
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