こんばんは,東海女子短大の小野寺です。 寺尾 洋子さんが「題名:Writing」で学生のテクニカルライティングについて 取り上げられています。 同様の問題を私も抱えていました。学生のレポートや小論文があまりにひどい (誤字脱字はもちろん,主語・述語のねじれ,異様な長文,日本語になってい ない文章などなど)ものですから。 結局,心理学概論という科目の前半は日本語の作文,レポートの書き方にあて ることにしています。 テキストは以前は宇佐美寛の「論理的思考」,本多勝一の「日本語の作文技術」 などを使っていました(研究室に置いてきたので著者・書名等はあいまいです)。 現在は後者の続編だけを使っています。 やり方ですが,課題となる文章のコピーを読ませて,次回までにきっかり800 字で感想文を書かせます。書いてきた感想文は学生同士で交換させて,お互いに 添削をさせます(国語辞書を毎時間持ってくるよう指導しています)。 次にそれらの感想文を回収して,次回までにこちらで添削をします。そして, 次の授業で代表的な文章をビデオプレゼンターを使ってビデオに写しながら問題 点を指摘していきます。最後に作文を返却します。 この方法を使うと,かなり改善が見られます。最初はなぐり書きで,構成も無茶 苦茶,とりあえず仕方ないので規定の800字は埋めておいたよという文なので すが,そのうちきれいな字でそれなりの文章を書いてくるようになります。 小学校から高校までの作文の時間というのは文章を書かせて提出させるだけで, どこが問題か示す添削などの個人的なフィードバックがありません。総論のよう な形で正しい文章の書き方なんて講義してもすぐに忘れてしまうのではないでし ょうか。 問題の本質はフィードバックと練習(日頃から書く)ではないかと感じています。 しかし,このやり方でも問題が多々でています。一応,この授業は毎年続けてい ますが,今はなぜか英文講読の方に関心が向かってしまっています。
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