[fpr 490] Factor score by ML

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鈴木@日経リサーチです

 9月の日心WSの話題を今頃出すのは気がひけますが、あまりの盛況で質問
時間もない程で驚きました。感想もあったのですが、そのあと総選挙に突入し
て予測作業に没頭(今は楽しい検証作業中でわくわく)でした。WSでは主成
分分析 vs 因子分析という格好になってしまったのがいささか残念でした。主
因子法より最小2乗法という(服部さんの)議論は納得であります。

 さて当日質問できなかったことです。主成分法と違って、ULSではデータか
ら「推定」した因子得点は完全には直交しない。分散は、回帰推定法なら重相
関係数の2乗。

 ところで最尤法による初期解では、因子得点が完全に直交する(ところが 
Varimax 回転後の因子得点はやはり直交しない)。最尤法の一般的なアルゴリ
ズムでは、そうなるような制約などを課しているのでしょうか?。

 SASのアルゴリズムは minor details を除いてほぼ Fuller ( 1981,
 pers. comm.) によっています。知らない文献だなあ、と思ったら、Fuller,
  W.A.( January 29, 1981) Letter to W.S.Sarle. という私信!。
Sarle は初期の Factor 開発者で、現在の因子分析の責任者は Hartmann( 
Calis 開発者)ですが、MLのアルゴリズムの変更はしていないと思います。

 ちなみにキッカケは因子分析の例として有名(?)らしい、ニワトリの骨の
データ( Wright(1954), Dunn(1928) )です。ジョンソン&ウイッチャン「多変
量解析の徹底研究」(現代数学社)p.485 で因子得点の不安定さの例示として
使われているのですが、これ( Dunn )が実はMLでの3因子モデルは不適解なの
に、それには触れずに第3因子得点の不安定性としてだけ示している。豊田 (
1992)の p.156 では探索的因子分析の例データ( Wright )として使われいます
が、なぜか ML でなく ULS。たぶん ML では不適解だったからだろうと推察い
たしました。

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