[fpr 495] 斜交解の寄与率は?

南風原朝和

南風原@東大教育心理です。

富田さん@早大大学院が以下のように書いています。[fpr 494]

 >> 実は,因子分析で斜交解を用いるときに
 >> 寄与率について,どう考えるのかと言うことです.

講義用に作成した資料に,12変数の3因子解を最小二乗法で求め,
バリマックス回転および(あるターゲット行列を用いた)斜交プロクラ
ステス回転を行ったSASの出力結果があります。それぞれについて,
"Variance explained by each factor・・・" という見出しの出力が以
下のようになっています。

(1)最小二乗解
Variance explained by each factor
 FACTOR1   FACTOR2   FACTOR3
2.162212  0.797554  0.482523 (合計は 3.442289)

(2)バリマックス解
Variance explained by each factor
 FACTOR1   FACTOR2   FACTOR3
1.496407  1.156759  0.789123 (合計は 3.442289)

(3)斜交プロクラステス解

Variance explained by each factor eliminating other factors
 FACTOR1   FACTOR2   FACTOR3
0.703403  0.856010  1.138759 (合計は 2.698172)

Variance explained by each factor ignoring other factors
 FACTOR1   FACTOR2   FACTOR3
1.192120  1.651614  1.470218 (合計は 4.313952)

(3)の上の結果は,Reference structure (Semipartial 
Correlations) の行列の縦の二乗和で,他の因子の影響を除いた
(eliminating other factors) ときの「寄与」を表しています。

(3)の下の結果は,Factor structure (Correlations) の
行列の縦の二乗和で,他の因子を無視した (ignoring other 
factors) ときの「寄与」を表しています。

因子間相関がすべてゼロ(直交)であれば,(3)の上下の結果は
一致し,相関が高いほど,両者のズレが大きくなってきます。ちな
みに,この例の場合,因子間の相関は以下のようになっています。

Inter-factor Correlations
           FACTOR1   FACTOR2   FACTOR3
FACTOR1    1.00000   0.43696   0.05968
FACTOR2    0.43696   1.00000   0.33901
FACTOR3    0.05968   0.33901   1.00000

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