鈴木@日経リサーチです 南風原さん@東大教育心理: >(1)調査の際には,投票に行くかどうかについては,どのような聞き方を > するのでしょうか。 >大雑把にでも,たとえば「必ず行く」「多分行く」「多分行かない」「行か >ない」のような分類ができれば,それぞれのグループごとの支持率を「投票 >に行く確率」のようなもので重みづければ,よい予測ができるような気がす >るのですが, 日経の場合は3段階です。これは実際にデータ解析するとすぐに分かりますが、 ダメだと思います。この方法が有効性を持つためには、「有権者」母集団をよ く代表する標本で、回収率が80%以上という教科書のような前提が必要だと 思います。投票意向率は、他社もそうですが、目も眩む高さです。なにしろ手 元にあるのは「投票者」母集団を代表しているとしか思えないような標本です から・・・。 >(2)そのような重みづけは,実際にはなされているのでしょうか。 ということで「していません」。重みづけしているのは形式的には3個所です。 すなわち、世帯から個人を抽出した時、選挙区単位の比率からブロック単位の 比例代表の比率を推定する時(有権者数で1回、投票率で1回)です。 >(3)そもそも電話帳への掲載率というのは大体どれぐらいなんでしょうか。 NTTが完全な情報を公開してくれないので、分かりません。私たちが全国の 電話帳の掲載数を勘定し、世帯数で割って推定しているのは70%です。これ は、有権者名簿からサンプリングして、電話番号を調べた時の「番号判明率」 とほぼ同じです。今回の調査では毎日の判明率が70%弱でした。朝日は80 %弱ですが、お金持ちの(?)朝日は、番号不明者に対して往復ハガキで電話 番号を教えてくれるように頼んでいるためです。たいへんな経費をかけていま す。
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