鈴木@日経リサーチです 堀さん@香川大学経済学部: >平成元年での香川県の高松市を含む11市町の合計でNTT加入数 234000、掲載 >数 190000でした。81%ですか。しかし、このなかには会社関係も含まれてい >ますから、世帯での率にすると減ります。 >高松市だけだと120000/161000*100=74.5%ですか。都市部になると下がります >ね。 四国地方はその位で、世帯・全国にすると70%程度か。ところで、どうして 伝統的な訪問面接法ではなくて、電話法を選択されたのでしょうか。授業では なくて、委託業務かな?。 >もう一つの問題は、掲載しない人たちのバイアスです。女性が世帯主となるとこ >ろなどは載せない傾向にあるのは当然ですが、若い人たち(当時で30代から) >も載せない傾向にあるそうです。また、世帯主から引退していても、電話帳では >新世帯主に変更されないなどの問題もあります。 この「バイアス」でありますが、予測にとってはうまく処理できそうです。 ここが南風原さんの御指摘のように「内閣支持率などと違う」点だと思います。 世論調査の場合は、やはり非掲載者に特定の傾向があると(新聞が実態世論と 主張するのは)まずいのでトレンド重視の書き方をします。 予測調査ではその特定の傾向さえ掴めば処理できる。ただ掲載率が「非常に」 低い地域の予測は不安定であることが分かっています。そういう性質の地域で は、載せないことや載せない人は、特殊でなく一般的だろうと想像しています。 予測にとってはこの地域性もモデルに組み込みたいのですが、ここはきれいに 定式化できません。はたして確率標本の性格を失っているのかどうか,研究の 余地のある部分です. (地域差[掲載率水準]や、掲載・非掲載などを含む多母集団の共分散構造 モデルで、投票行動の因果を説明した先行研究がありそうですね)。 >NTTはどうやら家について、一戸建てとか分譲とか賃貸などの情報ももっている >ようですね。あ、未確認情報です。 住居形態も含め、複数回線の世帯数や携帯電話の状況も知りたいですが一般 の調査(住民基本台帳から抽出した面接調査などで調べた掲載有無の質問)を 総動員して、電話帳に掲載する人と、そうでない人の集団としての性質を推測 できそうです(これはメタ分析が必要か?)。 #存在の仕方が意識を決定するという、あの古い説教がなお有効なのか?、 私は家を建てたのを契機に,貴重な都内電話帳掲載者になりました. ============================================================= 鈴木 督久 ( Tokuhisa SUZUKI ) stok (at) nkrstat.dp.u-netsurf.or.jp 〒101 千代田区神田司町2-2-7 パークサイド1ビル 日経リサーチ 集計解析室 P:03-5296-5101(DI) F:03-5296-5100(DI) =============================================================
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。