南風原@東大教育心理です。
富田さん@早大大学院が以下のように書いています。[fpr 511]
>> 実はある論文で直交解で算出された因子毎の項目の合計得点
>> を単純相関にかけている論文を拝見しました.
>>
>> 因子間相関は斜交解で算出されるので,直交解では無相関の
>> はず・・・と素人考えで思ってしまいました.
>>
>> しかし,実際は.30〜.50程度の相関がありました.
>>
>> 因子間相関と,各因子に属する項目の合計得点の相関の
>> 数理的違いをお教えいただきたく,投稿いたします.
以前に,[fpr 156] の松田さんの記事をきっかけに [fpr 194] の堀さん
の記事あたりまで,このテーマについてかなりやりとりがありましたの
で,詳細はそちらをご覧ください。
ちなみに [fpr 495] の12項目のデータについて,バリマックス解に基
づいて構成した3つの合計得点(それぞれ3〜4項目の合計)と,因子得
点の(最小二乗法による)推定値との相関係数は以下のようになりました。
TOTAL1 TOTAL2 TOTAL3 FACTOR1 FACTOR2 FACTOR3
TOTAL1 1.00000 -0.41058 -0.05880 0.95189 -0.29834 -0.00565
TOTAL2 -0.41058 1.00000 0.07456 -0.41727 0.93697 -0.05275
TOTAL3 -0.05880 0.07456 1.00000 -0.03728 0.18571 0.94144
FACTOR1 0.95189 -0.41727 -0.03728 1.00000 -0.25869 -0.00869
FACTOR2 -0.29834 0.93697 0.18571 -0.25869 1.00000 0.06432
FACTOR3 -0.00565 -0.05275 0.94144 -0.00869 0.06432 1.00000
なお,因子分析のモデル上は,任意のt項目の合計得点と任意の因子との
相関係数は,それらt個の項目とその因子との相関(因子構造)の総和を
t項目の合計得点の標準偏差で除した値に等しくなるはずです。
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