堀@香川大学経済学部です。 繁桝さん[fpr 524]回答ありがとうございます。 >> その中で3つとりあげます。 >> (1)質問としては4の答えをおしえてほしい。多重回答にχ2検定は使え >> るのか。どなたか教えてください。 > DO’s DON’Tsのシンポでは、森さんが、駄目だというお答えでしたし、fprでも >豊田さんが、NOのお答えだったようです.おそらく、それで、正解なんでしょうが、 >その後考えて、ディリクレ分布をモデルとして想定し、異なるグループのパラメータを >等しいとする仮説を用いて、尤度比検定量を用いて、χ自乗検定量を導きました. うーむ。恥ずかしながら、ディリクレ分布からついていけません。とりあえず統計学事典 を見て、ベータ分布の拡張ということばだけはわかりました。この仮定を用いるとなにか 制約がつくのでしょうか。つかってもかまわないかもしれないというところに希望を持ち ました。 >このような事は、どれほど意味があるのか知りませんが、苦労して得たデータならば、 >統計的方法に合わせて、データを取捨選択するのではなく、データに合わせて、 >そこから、情報を読みとるべく、モデルと分析方法を工夫するべきではないかと >思っています.それがこのシンポのモティベーションでした. たしかに、こういう側面重要です。こういうときだけ、ベイジアン的な気持ちになれる。 残念なのはそれを実行する基礎体力がないことです。今の例だと、分布についてかなり知 っている必要がありそうです。 >しかし、因子分析を使うものの気持ちとして、究極の目標は、おそらく、 >因子分析の結果を契機に、実体的な事に迫りたい.たとえば、機能的MRIの結果と そうですね。そもそも構造という考え方は機能のようにその場かぎりのものでなく、実体 と対応しているという考えがあるように思えます。 >さて、この本にある因子の実在説は、スピアマンとかバートの代までですね. >(ご存知だとは思いますが).g因子に関してそのような事はあるかなと思ったみたいです. >サーストンになると、(教科書には例の7因子が、よくでますが)、すでに、さめた >考え方、1種の座標系である程度の認識のようです.(この点記憶が少し怪しい) そのまま実在は問題もあるでしょうが、グールドの場合、知能を万能のものと考えすぎた 地点から批判しているようにも思えます。 技術的な問題として、グールドの指摘している点はおかしな点があるようです。 そのあたりを専門家が反批判しないかと期待しているのです。 ラシュトン『人種 進化 行動』博品社(1996) というもっと過激な本が訳されています 。ここで述べている統計についてはいくつか面白い点があります。 (1)尺度はなるべく多い項目をつかってこそ尺度だ。古いテスト理論では当たり前ですが 、パーソナリティ研究ではどうやら当たり前でなかったそうです。2章 (2)統計的回帰現象。Jensen(1973)を参照している。もし、黒人白人の子供両方とも知能 が120であれば、黒人の兄弟は平均約100、白人の兄弟の平均は約110になる。また子供 の両方が70だと、黒人の兄弟は平均78で、白人の兄弟は平均85となる。50から15 0の範囲内では回帰直線から有意な乖離はなかった。つまり、平均が黒人は約80、白人 は約100であることを示している。 統計的回帰現象については、ギロビッチ『人間この信じやすきもの』新曜社ではじめて知 ったという程度のものでしたが、こんなことに利用されているとは思わなかった。 ラシュトンの本は頭の大きさを真剣に測っていたりして結構笑えます。 香川大学経済学部 堀 啓造 e-mail hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp home page http://fourier.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。