Tsutomu Okada <okada (at) ed.niigata-u.ac.jp> さんは書きました: >知人から質問をされたのですが,私にもよく分からないので,どなたか >どうかお知恵を拝借させて頂きたことがあります。 > >以下のようなデータに対してt検定を用いてよいのかどうか?というのが >質問の趣旨です(質問者の表を元に復元)。 > データは以下のように,A,B,Cという3つの対象に対する比率を各Ssが >判断したものです。数値は%です(つまり各被験者ごとで,A+B+C=100%)。 >これをA,B,C別個に平均を求めた数値が従属変数となります。 > >Ssは2つの条件の群に分かれていて,この条件間で,上で求めた平均値の差の検定を >A,B,Cそれぞれ別個に行うというものです。 > > Ss | A B C | >----------------- > 1 | 10 20 70 |100% > 2 | 20 30 50 |100% > : : : : | : > n | |100% >----------------- > 平均 50 20 30 > >A,B,Cは独立ではないし,こういった比率を平均値にしてしまって果たしてよいのか? >というのが,何か変な感じがするのですが,統計の専門家でもないので, >根拠を挙げて「こういう理由でおかしい」あるいは「おかしくない」というのが >どうもよく分かりません。 >あまり,見かけないようなやり方にも思えるのですが,いかがでしょう? > A、B、Cごとに別個にt検定をやるのであれば構わないと思います。 例えば20問からなるテストを実施し、1問5点の100点満点で採点したとします。 その結果、男子の平均が70点、女子の平均が75点であった場合、この平均値の差の検 定には、一般にt検定を用いると思います。質問の例の場合も、Aが正答数(率)、Bが 誤答数(率)に対応すると考えれば、このテストの場合のt検定と同じことになるのでは ないでしょうか。ただし、対象(A,B,C)×条件の2要因の分散分析をやるのは不適 切だと思います(時折そうしているのを見かけますが)。その理由は「指導と評価」の、 1996年2月号、54ページをご覧下さい。 (ところで岡田さん、これはどうでもよいことですが、貴兄の文体をどこかでみかけたよ うな気がします。私の思いすごしでしょうか?) ********************************************** 森 敏 昭 Toshiaki Mori 広島大学教育学部 Department of Psychology Tel:0824-24-6764 Faculty of Education Fax:0824-22-7111 Hiroshima University E-mail:tosmori (at) ipc.hiroshima-u.ac.jp :GHC03716 (at) niftyserve.or.jp http://sinri.educ.hiroshima-u.ac.jp/~mori/ **********************************************
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