南風原@東大教育心理です。
>> 中田@岡山大学です。
>> 各群の人数が減ると power は低くなるのではないでしょうか。G・Power (Buchner,
>> A., Faul, F., & Erdfelder, E. (1996). G・Power: A priori, post-hoc, and comp
>> romise power analyses for the Macintosh (Version 2.1) [Computer program].
>> Trier, Germany: University of Trier.)で 1-way ANOVA, alpha = 0.05, 総評本数
>> 60, effect size "f" = .25 で post-hoc power を算出した結果は次のようになりま
>> した。
中田さんが計算された post-hoc power は被験者数と母集団効果量を与えた
ときの検定力です。一方,ここで議論になっている Observed Power は,実
験の結果まで得られた時点で,そこで得られた標本効果量をあたかも母集団
効果量とみなして,実際に用いた被験者数と有意水準αを使って検定力を計
算するものです。したがって,post-hoc power の計算では不要なp値が必要
になってきます。
[fpr571] で示した表は,下記のSASプログラムで計算したものですが,
直観では,やはりp=.05という結果に対応する Observed Power は
50%前後でなくてはいけない感じがするので,プログラムのどこかに
誤りがあるかもしれません。どこかおかしいところがありましたら,ど
なたか御指摘いただければ幸いです。
1 data;
2 p=.05; /* 得られたp値 */
3 n_total=60; /* 全体の標本の大きさ */
4 do df1=1 to 5; /* 分子の自由度 */
5 group=df1+1; /* 群の数 */
6 n_each=n_total/group; /* 各群の標本の大きさ */
7 df2=group*(n_each-1); /* 分母の自由度 */
8 f_crit=finv(.95,df1,df2); /* 棄却の限界値 (F) */
9 es_crit=sqrt(f_crit*df1/n_total); /* 棄却の限界値 (ES) */
10 f_obs=finv(1-p,df1,df2); /* 得られたF値 */
11 nc=f_obs*df1; /* 非心F分布の非心度 */
12 obs_pwr=1-probf(f_crit,df1,df2,nc); /* Observed Power */
13 output;
14 end;
15 proc print;
16 var group n_each f_crit es_crit nc obs_pwr;
17 run;
以下は結果です。
OBS GROUP N_EACH F_CRIT ES_CRIT NC OBS_PWR
1 2 30 4.00687 0.25842 4.0069 0.50346
2 3 20 3.15884 0.32449 6.3177 0.58349
3 4 15 2.76943 0.37212 8.3083 0.63861
4 5 12 2.53969 0.41148 10.1588 0.68126
5 6 10 2.38607 0.44591 11.9303 0.71578
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