[fpr 574] Observed Power

南風原朝和

南風原@東大教育心理です。

 >> 中田@岡山大学です。
 >> 各群の人数が減ると power は低くなるのではないでしょうか。G・Power (Buchner,
 >> A., Faul, F., & Erdfelder, E. (1996). G・Power: A priori, post-hoc, and comp
 >> romise power analyses for the Macintosh (Version 2.1) [Computer program].
 >> Trier, Germany: University of Trier.)で 1-way ANOVA, alpha = 0.05, 総評本数
 >> 60, effect size "f" = .25 で post-hoc power を算出した結果は次のようになりま
 >> した。

中田さんが計算された post-hoc power は被験者数と母集団効果量を与えた
ときの検定力です。一方,ここで議論になっている Observed Power は,実
験の結果まで得られた時点で,そこで得られた標本効果量をあたかも母集団
効果量とみなして,実際に用いた被験者数と有意水準αを使って検定力を計
算するものです。したがって,post-hoc power の計算では不要なp値が必要
になってきます。

[fpr571] で示した表は,下記のSASプログラムで計算したものですが,
直観では,やはりp=.05という結果に対応する Observed Power は
50%前後でなくてはいけない感じがするので,プログラムのどこかに
誤りがあるかもしれません。どこかおかしいところがありましたら,ど
なたか御指摘いただければ幸いです。

 1 data;
 2   p=.05;                                /* 得られたp値 */
 3   n_total=60;                           /* 全体の標本の大きさ */
 4   do df1=1 to 5;                        /* 分子の自由度 */
 5     group=df1+1;                        /* 群の数 */
 6     n_each=n_total/group;               /* 各群の標本の大きさ */
 7     df2=group*(n_each-1);               /* 分母の自由度 */
 8     f_crit=finv(.95,df1,df2);           /* 棄却の限界値 (F) */
 9     es_crit=sqrt(f_crit*df1/n_total);   /* 棄却の限界値 (ES) */
10     f_obs=finv(1-p,df1,df2);            /* 得られたF値 */
11     nc=f_obs*df1;                       /* 非心F分布の非心度 */
12     obs_pwr=1-probf(f_crit,df1,df2,nc); /* Observed Power */
13     output;
14   end;
15 proc print;
16   var group n_each f_crit es_crit nc obs_pwr;
17   run;

以下は結果です。
                               
 OBS    GROUP    N_EACH     F_CRIT    ES_CRIT       NC      OBS_PWR 
  1       2        30      4.00687    0.25842     4.0069    0.50346  
  2       3        20      3.15884    0.32449     6.3177    0.58349  
  3       4        15      2.76943    0.37212     8.3083    0.63861  
  4       5        12      2.53969    0.41148    10.1588    0.68126 
  5       6        10      2.38607    0.44591    11.9303    0.71578 

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