狩野@筑波大学です
私自身の記事fpr587の(自己)フォローアップです.
C00279>
C00279> > >> (i) nc^=[{(df2-2)/df2}*f_obs-1]*df1
C00279> > >>
C00279> > >> となります.df2 が十分大きいと,係数{(df2-2)/df2}は1に近いです
C00279> > >> から,これを無視するにしても,
C00279> > >>
C00279> > >> (ii) nc^=[f_obs-1]*df1
C00279> > >>
C00279> > >> となって,step 11 とはやや異なります.nc^ は,step 11 のものと比
C00279> > >> べて少し小さな値になるので,power はやや小さくなるはずです.
C00279> >
C00279> >(i)式をもとのプログラムの step 11 に入れて再計算しました。
C00279>
C00279> (i)または(ii)式の場合、
C00279>
C00279> f_obs < df2/(df2-2)
C00279>
C00279> または
C00279>
C00279> f_obs < 1
C00279>
C00279> のとき
C00279>
C00279> nc^ < 0
C00279>
C00279> となりますが。
C00279>
C00279> 岡本安晴
C00279> C00279 (at) sinet.ad.jp
In message <199701250328.MAA01210 (at) abel.math.tsukuba.ac.jp>
"[fpr 587] Re: Observed Power"
"Kano Yutaka <kano (at) math.tsukuba.ac.jp>" wrote.
kano>
kano> おっしゃる通りです.従って,モーメント法を用いるのならば,小さな値の
kano> t_obs に対して,何らかの修正が必要になりますね.
kano> 推定値が想定している範囲に入らないことは結構あります.因子分析で有名
kano> な不適解は,正であるべき誤差分散の推定値が負またはゼロの値として推定
kano> された場合ですよね.分散分析でも,F比が1より小さいと対応する分散の
kano> 推定が難しくなります(釈迦に説法でした!).
kano> モーメント法がよく用いられる方法なのか別に定番があるのかは,現在調べ
kano> ていますので,しばらくお待ちください.
Continuous univariate distributions vol.2 (Wiley; Johnson, Kotz,
Balalrishnan 2nd ed; 1995; page 495) に,非心F分布の非心パラメータの推定問
題が議論されています.
先に述べた,
(i) nc^=[{(df2-2)/df2}*f_obs-1]*df1
は,一様最小分散不偏推定量として紹介されています.ただ,nc^<0 となる可能性が
あるため,
(i)+ nc+^=nc^ if nc^>0
nc+^=0 otherwise
なる推定量が提案されている,とあります.しかし,nc+^ は(解析的でないため)
非許容的(imadmissible) であることが,Chow(1987) によって示されている,と書
かれています.同書では,bayes 推定量などさらに複雑な推定量も紹介されていま
すが,私の感じでは,応用の場面では,(i)+ で十分かと思います.
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狩野 裕 (筑波大学数学系) Phone&Fax: 0298-53-4229(DI)
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