[fpr 599] 議論のきっかけ

狩野裕

狩野@筑波大学です

In message <199701270443.NAA13503 (at) ccews2.cc.okayama-u.ac.jp>
   "[fpr 596] Re: 議論のきっかけ"
   "tnakata (at) cc.okayama-u.ac.jp (Takayuki Nakata)" wrote.

tnakata> 
tnakata> Bollen と Stine は共分散構造モデルの適合度の評価指数の問題点として 
tnakata> 
tnakata> 1) 分散が normal でなく sample size が小さいときにカイ自乗検定は信頼できな
い。
tnakata> 2) 適合度の評価指数の statistical distribution は未知なものが多く仮説の検
定
tnakata> ,信頼区間の推定,また適合度の評価指数同士の比較はできなとしています。
Maiti 
tnakata> & Mukherjee (1990) による Joreskog & Sorbom (1986) の GFI と AGFI の分散も 
a
tnakata> symptotic theory に基づいたものであり十分な sample size というものは未だに
分
tnakata> かっていないとしています。
tnakata> 3) Misspecified model または nonnested model へのこれらの分散はよく理解さ
れ
tnakata> ていない。
tnakata> 
tnakata> をあげており distribution assumption の不必要な bootsrap はこれらのすべて
ま
tnakata> たは一部の点を解決できるのではないかとしています。

共分散構造分析における bootstrap に関しては,このMLにも専門家がおられますので詳し
い議論は譲りますが,共分散構造分析では,まだ評価が定まっていない,と思います.私個
人的には,かなりイケルと思っていますが,bootstrap 法は好き嫌いがはっきりしており,
統計学をしっかり勉強したやや年配のBIGほど anti-bootstrap であると感じています.
共分散構造分析ソフトウェアの多くが(AMOS, EQS, LISREL, SEPATH) bootsrap 法をサポート
していますから,今後適用例が増えていくでしょう.一つの欠点は,計算時間が膨大になる
ことです.pentium 200 Hz でどこまで速く処理できるのでしょうね.


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 狩野  裕 (筑波大学数学系)      Phone&Fax: 0298-53-4229(DI)
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