鈴木＠日経です． 佐藤さん： >日本の場合、たとえば田中ビネー >検査、林の数量化理論、錯覚の小虎内図形などがあるかとおもいます。外国だとフェ 私はこういう話（名前とか起原）が気になる方です．余談してみたくなりま した． やはり林の数量化法，（赤池の）ＡＩＣ，田口メソッド，（川喜田の）ＫＪ 法，などしか浮かびません．讃井の「レパートリーグリッド発展手法」という 深層インタビュー法はオリジナリティーのわりには謙虚すぎて失敗した例でし ょうか？． 日本人は名前をつけるのが下手なのか控え目なのか？．林の場合は親友のゴ ットファーザー飽戸（とＮＥＣの貢献）によって純国産品として広まったので しょうが，そうでなければ一体どうなっていたことやら．しかも飽戸氏が「ダ ミー重回帰分析」とか「主効果分散分析」なんて発想をしなかったことがポイ ントだと思います．（昔「佐藤スコア」というのを教えてもらったことがあり， 何のことかと思ったら，佐藤氏が広告注目率調査に１類を適用した時のカテゴ リスコアらしい）． 『統計学辞典』（東洋経済）p.371に「数量化２類の源泉」はFisher[1938] にあると解説してあるのですが，Fisher[1938] は [1936]の誤植だとしても， 以前から納得できなかった．そこで先日，林氏に会ったときに聞いたのですが 「それは違う，誰が書いたんだろう？．最近，辞典にはうそが書いてある．学 生のレポート見ていて気がついた」といってました．数量化の源泉は「刑務所 暮らし」にある？と言いたいですね． ＡＩＣは大成功．Ａというのが完璧でしたね．ＢＩＣ（ベイズ），ＣＩＣ， Ｄは無くてＥＩＣ（エフロン），ＴＩＣ（竹内）・・・，といくら後で出ても Ａには勝てない．ご本人は a information ..だったけど弟子が Akaike's .. にという話を，統数研の田村氏から酒の席で聞いたことがありますが，真偽を 知りたいですね．ついでに「きみの論文，基準じゃなくて規準だよ，まあどっ ちでもいいんだけど」という話もさりげなくされたとか．そういえば，AICの 基本文献である大昔の『数理科学』って皆さん，図書館で読むのでしょうか？． 西欧はネーミングセンスがいいですね．「ジャックナイフ」「スクリープロ ット」「ブートストラップ」・・・．スクリープロットなんて「固有値の折線 グラフ」といってしまいそうですが，崖の下は屑という連想もピッタリです． エフロンがたぶん子供の頃から親しんだ『ほらふき男爵』の話がリサンプリ ングにブートストラップを連想するのも納得．自分のはいているブーツを自分 でつまんで，自分自身を持ち上げるという，まことしやかな「ホラ」が，自分 自身（標本観測データ）だけから，自分自身を無限に再生する（復元抽出）こ とで母集団分布を推定する不思議さと馴染んでいます． ところが，このドイツで生れ，イギリスで育った妙な作品はラスペ本（英） とビュルガー本（独）があり，後者を訳した岩波文庫を読んでも，ブートスト ラップが出てこない．エフロンはラスペ本を読んだはずですが，英語の『ほら ふき男爵』を読めば，ブートストラップをつかんで池の底から這い上がる話が 出ているんでしょうか？．どなたか読んだ方いますか？．岩波文庫では，似た 話として，自分の髪をつかんで沼から自分を引き上げる話，しかありません． 最後に，「聞かぬは一生の恥」となってしまった話．Ｆ分布の Fisher はい いんですが，t分布の Student はなぜ S分布でなくて t なのか？．SではＳ字 カーブを連想してしまうからか？．t は２個あるけれど，どちらの t か（た ぶん最後のtでしょうが）．この命名由来は Fisher の本のどこかに書いてあ るんでしょうか？．いまだに恥ずかしくて，誰にも聞いたことがないのです． 天下り式に，「とにかくt分布なんだ」と言い聞かせて先を急ぎました．初等 統計学の本に書いてあるといいんですが，ゴゼットのペンネームの話とか，ビ ールの泡を数えた話までしか書いてない．ああ，恥ずかしいこと聞いてしまっ たかな？． ============================================================= 鈴木 督久 ( Tokuhisa SUZUKI ) 日経リサーチ 集計解析室 〒１０１ 千代田区神田司町２−２−７ パークサイド１ビル Phone:03-5296-5101(DI) FAX:03-5296-5100(DI) Home:03-5261-7077 stok (at) nkrstat.dp.u-netsurf.or.jp | KGH00763 (at) niftyserve.or.jp =============================================================
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