[fpr 664] 外交に関する世論調査

守一雄

長谷川さま・皆様:守@信州大学です。

長谷川さんwrote:
長谷川芳典>長谷川@岡山大です。
長谷川芳典>行動遺伝学の議論が盛んですが、残念ながら勉強不足で意見を述べられ
長谷川芳典>ないので、別の話題をひとつ。
長谷川芳典>
長谷川芳典>昨日(1997年2月23日)の朝日新聞に、
長谷川芳典>
長谷川芳典>==============以下、長谷川の要約による===========
長谷川芳典>総理府が22日付で発表した「外交に関する世論調査」によれば、中国
長谷川芳典>に親しみを感じる」人は45%に落ち込み、初めて「親しみを感じない」
長谷川芳典>人を下回った。外務省中国課は、「昨年は核実験や尖閣諸島の領有権問
長谷川芳典>題に加え、中国が日米安保共同宣言に懸念を示したり、橋本龍太郎首相
長谷川芳典>の靖国神社参拝に反発したり、日中間がぎくしゃくした年だった」と説
長谷川芳典>明している。なお、韓国に対しては、「親しみを感じない」人が過去最
長谷川芳典>高の60%になり、「親しみを感じる」人の36%を大きく引き離した。一
長谷川芳典>方米国については、「親しみを感じる」人が75%で相変わらず高い。
長谷川芳典>==============以上、長谷川の要約による===========
長谷川芳典>
長谷川芳典>というような内容が掲載されていました。
長谷川芳典>しかし、その記事に添付されていたグラフを見ると、中国に対して「親
長谷川芳典>しみを感じる」比率は、1992-93年を除き、1985年から1996年に至るまで
長谷川芳典>ずっと減少傾向にあるように見えます。外務省中国課があげた理由で
長谷川芳典>は、この長期低落傾向を説明できません。
長谷川芳典>外務省中国課の「説明」が公式のものなのか、一官僚の単なる感想なの
長谷川芳典>かはわかりませんけれど、なんだか、頼りない分析のように思えたの
長谷川芳典>で、ちょっと発言させてもらいました。
長谷川芳典>
 何か結論が別にあって、グラフを歪めて解釈し、その解釈した言葉だけが一人歩き
するという例の一つかも知れません。
 原典をきちんととっておかなかったのですが、2年ほど前に地元の信濃毎日新聞に

「重税感にあえぐ年収800万円層(数値は不正確)」というような見出しで記事があり、
同じページにアメリカ・イギリスなど各国の年収あたり年税額がグラフになっていまし
た。そのグラフを素直に見ると、日本のこの層が特に税金が高いとは思えません。
それでも「中堅サラリーマンの重税感」という言葉だけが一人歩きしてしまいます。

 同様の例で、「文部広報」平成9年1月28日号2面
「いじめ、登校拒否、校内暴力が増加」と大見出しですが、同じページのグラフでは
少なくともいじめに関して、統計を取りだした昭和60年度からの一貫した傾向は「い
じめの減少」です。統計の基準が変わった6年度から最新の7年度にかけては確かに
増えていますが、統計の基準のちょっとした違いで2倍半も変動するデータの10%増
にも満たない増加にすぎません。
 この記事は大蔵省への予算案についてのものですから、「いじめは増加」でないと
困るのでしょう。


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