南風原です。 豊田立教社会さん wrote in [fpr 663]: > Tsutomu Okada <okada (at) ed.niigata-u.ac.jp> さんは書きました: > >質問は以下の通りです > >重回帰分析をしようとしたところ, > >1 説明変数のなかに1つだけ順序尺度(4件法)が入っているのだが, > >これを一緒にして計算してもよいのか? > > 計算して下さい.説明変数は非確率変数であり,モデルの中の定数!ですから > 2値でも,順序尺度でも関係ありません.実質科学的に有用であれば,何を > いれてもOKです. > > >2 また,説明変数の分布型が一定ではない,いろんな型のものが混ざって > >いるのだが,よいのか? > >ということです。 > > 分布の再表現は,職人芸的なところがあって,状況に応じた裁量と分析者の腕 > によって分析結果の善し悪しに大きく影響します.日科技連かんけいの方たち > が上手に分布の変換しており,いつも勉強させられます. 「分析結果の善し悪し」というのは,特定のモデルの適合度のことですか? 任意の単調変換を許容する順序尺度の変数を重回帰分析等に用いる場合, 一般には,その結果の任意性に注意しておくべきという指摘がなされます。 これに対し,上記の議論は,尺度の単調変換の任意性を逆手にとって,分 析者にとって最も都合の良い結果を生じる変換を採用するという方針のよ うで,たいへん面白い発想の転換だと思います。そのような意図で変換を 行っても意図した結果が得られなければ,それはそれで重要な知見になる わけですから。 因子分析のプロクラステス回転や,数量化理論によるカテゴリの重みづけ, さらには多変量分散分析など,さまざまな最適化法に通じる発想ですね。
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。