堀@香川大学経済学部です。 今回のラウンドテーブルのテーマについて議論がなかなか深まらないので、荒 っぽい質問を2つします。 (1)SEMにおいては因果関係を認定するのではなく、可能性を示唆するもの だと思いますが、データから説明できる程度との関係でそのモデルがいいから 因果関係があるだろうといっていいものでしょうか。 つまり、もっとラフいえば、相関係数のように分散のx%以上を説明できてい るから因果はだいたいありそうだとかいう考えがあってもいいようにも思うの です。ですから、途中で因果のラインと認めにくい程度の関連性だとそのモデ ルは因果モデルとはいえないという見方をしてはどうでしょう。 それとも、例えば、5%しか説明できないような因子があってもその全体を因 果モデルとして認めるのでしょうか。 (2)豊田さんの最初の説明で、パス解析よりもSEMのほうがいいというのは モデルのあてはまりのよさをチェックできるからというふうに理解しました。 では、パス解析のくらべて因果性の面でのチェックとして大きなメリットが生 じたのでしょうか。安田氏の『社会統計学』丸善ではエラボレーションの話し がありますが、あのようなタイプの進歩があったと考えていいのでしょうか。 つまりどっちに線をひいたらいいかの問題ではなく因果性を認定しやすくなっ たかという問題です。 香川大学経済学部 堀 啓造 e-mail hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp home page http://fourier.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/
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